【玉ノ井親方 視点】横綱の今場所の転機になる一番 3大関撃破の琴ノ若に快勝

[ 2022年5月11日 19:23 ]

大相撲夏場所4日目   ○照ノ富士(寄り切り)琴ノ若● ( 2022年5月11日    両国国技館 )

<大相撲夏場所4日目>琴ノ若(右)を攻める照ノ富士(撮影・郡司 修)
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 ようやくエンジンがかかってきたという感じだろうか。照ノ富士が注目の若手の壁になった。

 琴ノ若戦。立ち合いで当たってから少し上体が浮くような感じになったが、すぐに腰を落として右を差した。その後に左で上手を取るのも速く、琴ノ若に反撃する隙を与えず寄り切った。相撲の流れが非常に良かった。

 状態が良いときの横綱は、下半身から相撲を取れる。低く当たって、前に出ながらまわしを取る形だ。だが、調子が悪いときは両膝に不安を抱えていることもあり、上体の力だけで取ろうとして、足がそろってバランスを崩しやすくなる。最近の2場所は踵のケガなどもあり、相撲勘もにぶっていた。だが、この一番のように腰を落として前に出る相撲をどんどん取っていけば、自分の感覚も戻ってくるだろう。

 横綱が平幕に勝つのは番付からいっても順当。ただ、相手は今場所3大関を破って、波に乗っている成長株。その新鋭に自分の相撲を取り切って勝ったことは、横綱にとっても一つの転機になるのではないか。 (元大関・栃東)

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2022年5月11日のニュース