五輪金より臨戦態勢を重視 柔道・鈴木桂治監督 選考基準に独自色

[ 2022年4月3日 21:37 ]

柔道全日本選抜体重別選手権最終日 ( 2022年4月3日    福岡国際センター )

<全日本選抜柔道体重別選手権大会>試合後に2022年世界柔道選手権大会の代表選手を発表する柔道全日本男子の鈴木桂治監督(代表撮影)
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 男子7階級が行われ、競技終了後に開かれた強化委員会で10月の世界選手権(ウズベキスタン・タシケント)代表8人が決定。66キロ級を制した阿部一二三(パーク24)、60キロ級で準優勝だった高藤直寿(同)らが順当に選出された一方、ともに今大会はケガを理由に欠場した73キロ級の大野将平(旭化成)、100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)と2人の東京五輪金メダリストが選外となった。

 選考対象大会は今年2月の国際大会や今大会で、その他にも昨年の世界選手権や東京五輪など、直近1年間の大会結果や内容を総合的に吟味して選考される。73キロ級で選出された橋本壮市(パーク24)、100キロ級で選出された飯田健太郎(旭化成)は両者ともに昨年の世界選手権代表だが、金メダルを逃している。その後の国際大会での優勝しておらず、五輪金メダリストの2人の選考が順当と見られていたため、会議では出席者からの異論も相次いだ。

 記者会見に臨んだ男子代表の鈴木桂治監督は、「五輪王者は大きな評価だが、この大会で若手と戦うところを見たかった。ケガ(での欠場)は残念だが、そういう状況で選出することはできなかった」と説明。代表選考規定に今大会への出場要件は含まれていないが、「われわれは勝負の世界にいる。戦う姿、若手との勝負を見たかった」と強調し、事実上、今大会への出場が必須条件だったことを言葉に強くにじませた。

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2022年4月3日のニュース