田中志歩 女子70キロ級初制覇、延長制した 東京五輪金・新井の後継名乗り

[ 2022年4月3日 05:30 ]

柔道 全日本選抜体重別選手権第1日 ( 2022年4月2日    福岡国際センター )

<全日本選抜柔道体重別選手権>女子70キロ級で寺田(右)を破り優勝した田中
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 女子7階級が行われ、70キロ級は昨年12月の体重無差別で争われる皇后杯全日本女子選手権を制した田中志歩(23=JR東日本)が初優勝を飾り、10月の世界選手権(タシケント)代表に内定した。4人が出場した昨夏の東京五輪代表は、52キロ級金メダルの阿部詩(21=日体大)が準決勝を棄権。48キロ級銀メダルの渡名喜風南(26=パーク24)、78キロ級の浜田尚里(31=自衛隊)は優勝した。

 輝きは本物だ。準決勝では世界選手権で銀銅メダル2個の実績がある大野陽子を下した田中は、決勝でも同門の寺田をゴールデンスコアの延長戦の末に撃破。いずれも相手指導3による反則勝ちながら新女王に上り詰め、「うれしい。皇后杯女王は日本で一番。負けてはダメだと思っていた」と柔和な笑みを浮かべた。

 昨年12月の皇后杯では超級選手を次々に破り優勝。「自分の階級では目立つ選手ではなかったので、優勝して注目されようと思っていた」と狙い通りに戴冠すると、今年2月のグランドスラム(GS)テルアビブ大会ではIJFワールドツアーで初優勝。「自信になった」と言う通り、高校時代まで続けたレスリングでもジュニア五輪を制するほど高い身体能力が開花した。

 70キロ級は東京五輪金メダルの新井千鶴が引退し、パリ五輪代表争いが混沌(こんとん)としている。女子代表の増地克之監督も「勢いを買った。まだまだ粗削りだが強化したい」とほれ込む逸材も、「世界選手権でも優勝したい」と宣言した。

 《世界柔道代表7人決定》競技終了後には強化委員会が開かれ、世界選手権代表7人が選出された。52キロ級は優勝した白石響(環太平洋大)ではなく阿部を選出。女子代表の増地監督は「選考大会に出ないと、自力では代表入りできないと伝えていた」とした上で、「棄権は残念だが、金メダルに一番近い」と理由を説明。五輪78キロ超級金メダルの素根輝(パーク24)は今大会に続き皇后杯も欠場見込みで、代表入りが厳しいとの見通しを示した。

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