終盤戦の男だ!若隆景 高安破り11日目~千秋楽17連勝、初優勝へ首位並んだ

[ 2022年3月24日 05:30 ]

大相撲春場所11日目 ( 2022年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )

<春場所11日目>高安を寄り切りで破る若隆景(右)(撮影・後藤 正志)
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 新関脇の若隆景が全勝の平幕・高安を寄り切りで撃破し、10勝1敗でトップに並んだ。持ち前のおっつけからもろ差しになる盤石の攻め。新関脇では2020年初場所の朝乃山以来となる2桁を挙げた。新大関・御嶽海は新関脇・阿炎を引き落としで破り、2敗を堅持。大関・貴景勝は平幕・琴ノ若を突き落としで下し、8勝3敗でカド番を脱出した。琴ノ若は2敗に後退。

 厳しい攻めで全勝の高安を下しても、険しい表情は変わらない。付け人の兄・若隆元に迎えられた花道も淡々と引き揚げ、リモート取材でも「下からよく攻められた。相撲に集中して取れている。良かったと思います」といつもと同じフレーズを並べた。

 下からの押し上げと、左右のおっつけ。勝利の方程式を、優勝を占う一番で何事もなかったかのように実践した。この日はもろ差しになる一方的な内容。平成以降の新関脇63人のうち2桁勝利はわずか16人。序盤の取りこぼしなどで苦戦する力士が多いが、若隆景は11日目で到達した。

 幼少の頃から大波3兄弟を見守ってきた学法福島高の二瓶顕人監督は「足腰の強さ、重心の低さは際立っていた。本人の努力もあるが、もって生まれた資質も感じる」と話す。1メートル81、130キロと力士では小型な部類だが、幕内上位の力士に当たり負けせず、正攻法の攻めで白星を重ねている。「ここ数日の相撲内容を見ると、(優勝も)あるんじゃないかと期待しています」と恩師も分析する。

 得意の終盤戦で初優勝の期待が膨らんだ。昨年名古屋場所の千秋楽から「終盤戦」(11日目~千秋楽)は16連勝中だったが、この日の勝利で連勝は17に伸びた。相手は自分より番付が下の力士が多かったとはいえ、最後まで集中力を切らさず、日頃の鍛錬で培ったスタミナを存分に発揮している。残り4番。「まだ残りがあるので一番に集中して。自分の相撲に集中しています。一生懸命取りたいです」と力を込めた。混戦に拍車がかかった春、「終盤戦の男」に本領発揮の好機が訪れた。

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2022年3月24日のニュース