【玉ノ井親方 視点】右も左もおっつけに威力 若隆景に3代目・若乃花が重なる

[ 2022年3月23日 21:01 ]

大相撲春場所11日目 ( 2022年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )

<春場所11日目>高安を破る若隆景(右)(撮影・後藤 正志)
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 意外だった。若隆景と高安の注目の一番。対戦前は若隆景が高安の懐にうまくもぐり込めたとしても、簡単には押せないだろうと予想していたが、あっさり覆された。

 勝因は2つ。まず、両腕を深く差して肩まで入れられたこと。それで相手の腰が高くなった。2つ目は休まず攻め続けたこと。差した後に1、2テンポ間を置くと、押そうとしても重さが出てくる。高安も息を吹き返したように左を差しにきただろう。そういう隙を与えず密着して攻めたのが良かった。

 相手の腕の下や脇に手が入るような左右のおっつけも巧みだった。私も現役時代はおっつけを武器にしたが、左一辺倒だった。若隆景は両方できて、威力がある。そういうタイプは珍しい。私が知る限りでは3代目・若乃花さんくらいだろうか。自分で思い描いた通りの相撲で全勝力士を倒し、大きな自信を得たのは間違いないだろう。(元大関・栃東)

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