ラグビー花園の「近鉄漢」野中主将 負けられない昇格争い「近鉄漢としてやるべきことをやるだけ」

[ 2022年3月18日 19:06 ]

26歳の若さで主将として花園を引っ張る野中翔平
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 ラグビーリーグワン2部の2位・花園(旧近鉄)は20日、3位・三重(旧ホンダ)と三重県鈴鹿市の三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で対戦する。同リーグ2部は今週末を含めて残り3節。7節を残す1部より一足先に運命の終盤戦を迎える。

 1部との入替戦に進むためには少なくともリーグ戦上位3チームで争う総当たりの順位決定戦に勝ち残らなければならない。第7節を終わって2位・花園と3位・三重との勝ち点差は3。4位・日野とは10。トップリーグ時代の2017年度以来、4季ぶりの1部昇格へ負けられない戦いが続く。

 「ちょっとけが人も出てる状況なんですけど、その結果、いろんな選手にチャンスが巡ってきてチーム力としては上がってきてると思います」

 フランカー/No.8野中翔平(26)は今季から指揮を執る水間良武ヘッドコーチ(44)より主将に任命された。長くオーストラリア代表を支えてきたSOクウェイド・クーパー(33)、SHウィル・ゲニア(33)ら世界的名プレーヤーも所属するチームの中で入団4年目の若手の主将抜てきは異例とも言えるが、チームメートの信頼は厚く、ここまで全7試合に出場し、6試合は先発でチームを引っ張ってきた。三重戦は故障のため今季初めてベンチ入りメンバーから外れたが、18日の全体練習では激しい雨の中、グラウンドに出てチームメートに声を掛けていた。

 「僕もずっと関西にいるんで関西のラグビー界を盛り上げたいという気持ちは少なからず持ってます」

 大阪出身の野中は小学校3年の時、枚方ラグビースクールでラグビーを始め、その後、東海大仰星高(現東海大大阪仰星高)、同大と進む。東海大仰星高、同大では主将を務め、高校3年時には現在のチームが本拠地とする高校ラグビーの“聖地”花園で優勝を飾った。ここまで関西一筋のラグビー人生を送ってきた。

 今月16日にはリーグワン1部に所属する大阪(旧NTTドコモ)と浦安(旧NTTコム)のチーム再編成が発表され、来季以降は浦安がこれまで通り1部での活動を目指して戦い、大阪は3部から再出発する見込みとなった。その結果、大阪が失った1枠は2部の順位決定戦1位のチームが無条件で獲得することが決まった。

 「チームの目標は1部昇格。これまで通り近鉄漢としてやるべきことをやるだけです」

 「近鉄漢」と書いて「キンテツマン」と読む。会社やチームの代表として地域社会やラグビー界に貢献できる存在とは何かをテーマに創案されたこの造語が今季のチームスローガンになっている。

 同じ大阪を拠点にする花園が大阪のラグビーの灯を絶やすことなく引き継ぐ大阪から大阪への自動昇格。近鉄漢たちの熱い戦いに注目が集まる。

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2022年3月18日のニュース