若隆景・若元春・若隆元「大波3兄弟」そろって白星 16日大地震の福島を勇気づけた

[ 2022年3月18日 05:30 ]

大相撲春場所5日目 ( 2022年3月17日    エディオンアリーナ大阪 )

豊昇龍(右)を寄り切りで下した若隆景(撮影・坂田 高浩)
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 新関脇・若隆景、平幕・若元春、幕下・若隆元の大波3兄弟がそろって白星を挙げ、16日夜に大きな揺れに見舞われた故郷・福島を勇気づけた。結びでは玉鷲が横綱・照ノ富士を2場所連続で撃破。37歳4カ月の金星は昭和以降5番目の高齢記録となった。新大関・御嶽海は霧馬山に敗れ今場所初黒星。カド番の正代は初日からの連敗を4で止めた。全勝は平幕の高安1人となった。

 幕下で長男・若隆元、幕内前半で次男・若元春が勝利。トリを務めた三男・若隆景も気迫の相撲で締めた。新小結・豊昇龍との一番。低い立ち合いから得意の左おっつけと右はずで相手の上体を浮かせ、最後は右を差して出て左はずで寄り切り。新関脇場所の序盤を4勝1敗で乗り切り「一日一日を集中して」と自らを鼓舞した。

 前夜、故郷・福島を大きな地震が襲った。若隆元はこの日の朝、震度6の揺れがあったことを知り、慌てて実家の両親に連絡。元幕下力士の父・大波政志さんが経営するちゃんこ店は食器などが散乱したというが、無事を確認した。若隆景が高1だった11年前の3月11日、東日本大震災が発生。東京電力福島第1原発事故も起きたため、若元春とともに、若隆元が既に所属していた荒汐部屋に身を寄せた経験がある。東京にいる夫人から連絡を受けたという若元春は「震災から年数はたったけれど、地震は怖い」とかみしめるように話した。

 3兄弟の活躍を受け発足した後援会も会員は増え続け、現在は350口(法人含む)に達した。後援会関係者も「土俵での頑張っている姿が力になる」と期待を寄せている。今場所初めて白星3個を連ねた兄弟は「土俵で頑張って地元を勇気づけたい」と、そろって故郷への思いを口にした。

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