【二所ノ関親方　真眼】前へ前への姿勢が生んだ高安の勝利

大相撲春場所4日目 （ 2022年3月16日    エディオンアリーナ大阪 ）

＜春場所4日目＞琴ノ若を破る高安（左）（撮影・後藤　正志）
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　前頭7枚目なら4連勝もそれほど驚きはありませんが、高安が久々に序盤から元気です。若手の有望株、琴ノ若は柔らかさがあり差し身がうまい。高安は左右どちらでも取れるとはいえ、相手有利の右四つ。体勢は厳しかったが、よく我慢しました。

　相撲は長くなりましたが、終始攻めの姿勢が見られたのが勝因です。最近は長い相撲が多い。昨年の九州場所もそんな相撲ばかりでした。守ることを意識し過ぎて持ち味を消していました。しかし、今場所は前へ前への意識がある。それが結果に結びついています。

　かつて大関を張った実力者も32歳とベテランの域に入りました。守ってばかりでは後半戦のスタミナに影響が出る。そういう意味でも疲れを残していない今場所は楽しみが持てます。「攻めて上りつめた大関の座」。その言葉を忘れなければ、初優勝もグッと近づいてくると確信しています。（元横綱・稀勢の里）