内村航平、万感の6種目「幸せな体操人生」引退演技会でファン魅了

[ 2022年3月12日 16:10 ]

体操KOHEI UCHIMURA THE FINAL ( 2022年3月12日    東京体育館 )

<内村航平KOHEI UCHIMURA THE FINAL>ラスト舞台を終えた内村航平は選手たちから胴上げされる (撮影・西川祐介)
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 体操男子の個人総合で五輪連覇を達成するなどキングとして君臨した内村航平(ジョイカル)が、自身の名を冠した引退演技会に出場し、現役ラスト演技を披露した。

 昨夏の東京五輪は種目別の鉄棒に絞って出場したが、この日はこだわりを持っていた個人総合と同じ6種目を演技。床運動で最後の3回ひねりの着地を鮮やかに止めると、あん馬を落下せずにクリアし、つり輪は両肩の痛みに耐えた。

 跳馬は命がけで取り組んできた「リ・シャオペン」よりも、ひねりが半分少ない技をわずかな乱れでまとめ、平行棒は美しい倒立などで魅了。そして、最終種目の鉄棒に臨んだ。

 20年から一途に取り組んできた鉄棒の冒頭、H難度「ブレトシュナイダー」をキャッチ。その後の車輪にはうまくつなげられなかったが、その後はコバチを決め、現役最後の着地は左足が一歩後ろへ動いた。「いやあ、ダメでしたね。着地を止められなかったので。だから『THE FINAL』なんです」と振り返った。

 完璧には止められなかったが、死力を尽くした6種目に大きな拍手が降り注いだ。演技後はこの日、演技した他のメンバーに胴上げされ、6度宙に舞った。

 場内スピーチでは「最後、泣かれている方もいらっしゃいましたけど、ここで終わりじゃなく新しい一歩を踏み出す意味ですごく前を向いています」とし、「会場に来ているみなさん、こんなにたくさんの方が来てくれると思っていなかった。幸せな体操人生を歩ませていただいた」と話した。
 

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