砂村光信氏 帝京大の練習から精度にこだわる姿勢が点差に表れた

[ 2022年1月10日 05:30 ]

ラグビー第58回全国大学選手権決勝   帝京大27ー14明大 ( 2022年1月9日    東京・国立競技場 )

<帝京大・明大>前半 先制トライを決めチームメートに祝福される帝京大・押川(左から2人目)=撮影・久冨木 修  
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 【砂村光信氏 視点】試合前の練習を見て結果は予測できた。帝京大はSOやCTBがWTBへ長いパスを放る練習をしており、しかも精度が高かった。

 一方、明大は短いラインで速いパスを練習していたが、全体練習になるとラインが広くなり、ランナーは後方でスピードを緩めて受ける形になっていた。試合でも同じだった。

 明大は前半終了間際にCTB広瀬がパスをインターセプトされたが、相手の動きは見えていたはず。一方、帝京大のSO高本幹は相手がインターセプトを狙ってきたのを見て、その上を通すパスを投げた。タッチキックも飛距離は明大FB雲山の方が出るが、帝京大はタッチぎりぎりに落とすため獲得地域はほぼ同じ。コンタクトやタックルなどFWが全てで上回ったことに加え、バックスのプレー精度が点差に表れた。

 9連覇の頃はフィジカル面が他校との差になっていたが、現在の帝京大は大きな選手にスピードがつき、練習から精度を追求している。コロナ対策を学生たちが考えるように促すあたりも意識の高い選手を輩出し続ける要因だ。従来は伸び悩む選手も多かった大学ラグビーに、レベルアップさせる改革をもたらした岩出監督に改めて敬意を表したい。(元U―23日本代表監督)

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2022年1月10日のニュース