ナダル「世界最高の選手はコートに立つべき」 ジョコビッチの全豪OP出場“歓迎”とスペイン紙報道

[ 2022年1月10日 21:12 ]

復帰初戦となった今月のメルボルン・サマーセットで優勝したナダル(AP)
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 スペイン紙マルカ(電子版)は10日、男子テニス世界ランキング6位のラファエル・ナダル(スペイン=35)がオーストラリアへの入国が認められた同ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア=34)について「世界最高の選手がコート上に立てるということは歓迎すべきことだ」と語ったと報じた。

 ジョコビッチは17日から開幕する全豪オープン出場へ向け5日深夜にメルボルンの空港に到着。しかし「新型コロナウイルスに関する入国条件を満たす書類を提出しなかった」として、国境警備隊にビザを取り消された。大会主催者はメルボルンがあるビクトリア州の2つの専門家委員会が免除を承認したと発表していたが、オーストラリアのモリソン首相は6日の会見で「接種免除は証明されなかった。特例はなく、ルールはルールだ」と話した。

 これを受けジョコビッチの弁護団はメルボルンの巡回裁判所に異議を申し立て、10日に行われた審理において「オーストラリア政府の決定は合理性がない」と結論。状況が二転三転するなか、ジョコビッチの入国が認められた。

 マルカ紙が伝えたところによるとナダルは「個人的には、彼がプレーしないほうがずっと好きですよ(笑)。この問題にはいろいろな利害関係がありますが、世界最高の選手がコート上で戦っていることは、他の場所にいるよりもずっと良いことのはずです。私から言えることは彼(ジョコビッチ)は全豪オープンに参加する権利を持っており、この決定を尊重するということ」と現在“不透明”となっているジョコビッチの全豪オープン出場を歓迎。

 ナダル自身は昨年12月に新型コロナウイルスに感染。マルカ紙はナダルが当時を振り返り「中東のツアーから帰ってきて、クウェートとアブダビにいたのですが、5日間で3回のPCR検査は全て陰性でした。しかし帰り道、気分が悪くなってきました。最後のPCR検査も数時間前だったので、まさかウイルスに感染してるとは思いませんでした。ただ、家に帰ると真っ先に病院に行きました。確信が持てるまで、母や身近な人には近づくべきではないと思ったのです」と語ったと報道。

 それでもナダルは陽性判明から3週間後の復帰初戦となった大会でいきなり優勝。シングルスツアー89個目のタイトルを獲得し「正直なところ、僕はとても努力したと思う。なかなか難しい数週間だった。ツアーに出ないで練習ばかりする日々が“普通”になるなんてね…だからこそこの勝利には満足してる。僕が必要なのは健康でいることと公式戦のコートで過ごす時間なんだ」とコメント。2009年以来、2度目の全豪オープン制覇へ“最大のライバル”が不在なのは歓迎すべき状況ではないという意思を示した。

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2022年1月10日のニュース