今大会限りで引退示唆の村上 床で暫定首位!「決勝にいけば、メダルを狙いにいく一択」

[ 2021年10月19日 05:30 ]

体操 世界選手権第1日 ( 2021年10月18日    福岡・北九州市立総合体育館 )

床運動の演技を終え、笑顔の村上
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 今大会での現役引退を示唆している村上茉愛(まい、25=日体ク)が、女子予選で好演技を披露した。東京五輪で銅メダルを獲得した床運動は、14・166点で10班中7班終了時点で暫定トップ。平均台も13・400点の暫定7位で、上位8人による決勝進出に望みをつないだ。個人総合の畠田瞳(21=セントラルスポーツ)は合計53・798点の暫定3位。女子予選の残り3班は19日に実施し、日本男子は20日に予選に臨む。

 真夏の夢舞台で不在だった観客が、村上に力を与えた。「お客さんがいることの幸せを感じた。これこそが試合だ!って」。東京五輪で銅メダルを獲得した床運動。H難度「シリバス」を決めると、スタンドからの手拍子にも乗った。「凄く楽しかった」。14・166点は五輪決勝と同スコア。予選10班中7班終了時点で、堂々とトップに立った。

 集大成と位置付けた東京五輪を8月に終えたが、自国開催の世界選手権に向けて再び心を奮い立たせた。「無観客が心残りだったので」。負担を減らすため個人総合ではなく、床運動と平均台の2種目に出場。今月5日に痛めた左足首は万全に程遠い。1種目目の平均台を終えると顔をゆがめたが、力強く床運動を乗り切った。

 開幕前から「最後になるかな」と、今大会が現役ラストとなることを示唆してきた。万感の思いを込める舞台だからこそ、掲げたテーマは「自分のためではなく、人のために演技する」。母・英子さんの姿はこの日、観客席にあった。ずっと支えてくれた大切な人へ、まずは予選で好演技を届けた。

 19日に予選8~10班が行われるが、床運動の種目別決勝(24日)進出は確実。「決勝にいけば、メダルを狙いにいく一択なので。五輪の時から一回一回が全力。その一回を無駄にしないような、最高の演技をしたい」。最愛の母は、決勝も会場で応援予定。17年大会以来、4年ぶりの世界一がラストダンスにはふさわしい。

 ▽世界体操選手権北九州大会 東京五輪・パラリンピック後、国内で初の大規模な国際大会で、日本開催は11年の東京大会以来3度目。国際体操連盟によると、56カ国・地域から300人を超える選手が参加し、個人総合と種目別のみで争われる。新型コロナウイルスのワクチン接種証明などを使った政府の行動制限緩和に関する実証実験の対象となっており、観客数の上限を設けていない。初日は1816人が入場した。

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