佐々木 男子81キロ級オール一本V、東京五輪落選も世界1位圧倒「さらに上目指す」

[ 2021年10月19日 05:30 ]

柔道 グランドスラム・パリ大会最終日 ( 2021年10月17日    フランス・パリ )

男子81キロ級で優勝した佐々木健志(AP)
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 男女計7階級が行われ、男子81キロ級で佐々木健志(25=ALSOK)が5試合オール一本勝ちで優勝した。強じんなフィジカルで相手を圧倒する戦いぶりで、3年後に五輪が開かれるパリのファンを魅了。東京五輪金メダリストで筑波大の先輩に当たる永瀬貴規(28=旭化成)の対抗馬に堂々躍り出た。日本勢は五輪後初参加の国際大会で、男子4階級、女子3階級を制した。

 日本以上に柔道熱の高いフランスのファンをうならせた。1回戦は地元選手の帯を取って力ずくで投げきり、準々決勝は東京五輪銅メダルのカス(ベルギー)をファーストコンタクトで引きずり込んだ後、そのまま寝技に持ち込んで完勝。決勝も世界ランク1位のグリガラシビリ(ジョージア)を合わせ技一本で圧倒。試合後、自身のツイッターに「良い経験ができました。さらに上を目指してまた頑張ります」と記した。

 筑波大時代に頭角を現したが、成績の波が激しく東京五輪の代表争いからは早々と脱落。一方で昨年12月の体重無差別で争われる全日本選手権では100キロ超級で過去3回優勝の王子谷剛志を圧倒するなど、並外れたパワーの持ち主。YouTubeでは94キロのダンベルを上げ、人が乗車したSUVを引っ張るトレーニングを披露するほどの筋力自慢だ。4月の選抜体重別も圧倒的な内容で制しながら、6月の世界選手権代表は落選。鈴木桂治新監督の下、ようやく巡ってきた2年ぶりの国際大会で一皮むけた姿を証明し、永瀬の独走に待ったをかけた。

 ◇佐々木 健志(ささき・たけし)1996年(平8)7月16日生まれ、島根県出身の25歳。父や兄の影響を受けて3歳で柔道を開始。平田高2年時に全国高校選手権の81キロ級を制覇。15年4月に筑波大に進学し、17年の講道館杯で初優勝。18年にはGS大阪大会、マスターズ大会と国際大会を連覇した。19年4月からALSOK所属。右組み。得意技は背負い投げ、寝技。1メートル71。

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