貴景勝、カド番で連敗 平幕相手にまた不覚

[ 2021年9月14日 05:30 ]

大相撲秋場所2日目 ( 2021年9月13日    両国国技館 )

貴景勝が押し出しで霧馬山に敗れる
Photo By 共同

 カド番大関の貴景勝は霧馬山に押し出され、2連敗の苦しいスタートとなった。自身より23キロ軽い四つ相撲の平幕を押し込めない相撲内容は深刻で、2度目の大関陥落が現実味を帯びてきた。新横綱の照ノ富士は22歳の新鋭・豊昇龍を寄り倒し、三役以上でただ一人2連勝。大関・正代は小結・高安を押し出し、初白星を挙げた。

 全く精彩を欠いている。貴景勝は持ち前の鋭い出足が鳴りを潜め、初日に続いて弱気な相撲で平幕相手に2連敗。「いい相撲を取ろうと思ったが取れなかった」と悔しがった。

 立ち合いは頭から当たって一歩踏み込んだものの、二の矢が出ない。霧馬山の逆襲に対し、すぐに引き、呼び込んで後退。一気に土俵際まで押し込まれ、あっけなく土俵を割った。土俵下で見届けた高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「調子の良い時は我慢して相手の中に入るが(2日目までは)いなしてから呼び込んでしまっている」と指摘した。

 7月の名古屋場所は3日目から休場。ぶちかましが生命線といえる押し相撲の力士にとって、大きな影響を及ぼしかねない首の負傷が原因だった。場所前に「治っている。ケガはもう関係ない」と強気な姿勢を示したが、本来の姿とは程遠い内容だ。

 試練は続く。3日目は、先場所2日目に立ち合いで首を痛めた際の相手、逸ノ城と対戦する。八角理事長(元横綱・北勝海)は「大きい相手を一発でもっていくと“やればできる”というふうに気持ちが変わる。そうなってほしい」と復調を願うように語った。本人は「自分でどうすべきか考えていきたい。また明日から頑張るしかない」と自らに言い聞かせるように話した。

 今年春場所、夏場所は照ノ富士と最後まで優勝を争った実力者。その底力で、苦境を打破したい。

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2021年9月14日のニュース