パラマラソン道下美里、独走金「最高の伴走者と最強の仲間…みんなで祝福したい」

[ 2021年9月5日 10:24 ]

東京パラリンピック・マラソン ( 2021年9月5日    国立競技場発着コース )

<パラリンピック女子マラソン(T12)>1位でゴールし、喜ぶ道下(左)と伴走者の志田淳さん(撮影・坂田 高浩)
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 女子マラソン(視覚障がいT12)が行われ、リオ大会銀メダルの道下美里(44=三井住友海上)が3時間0分50秒で初の金メダルを獲得した。

 道下は15キロまで4人の先頭集団でレースを展開。20キロでは先頭と3秒の差が開いたが、25キロ過ぎにトップと並んだ。30キロ過ぎに2位を引き離すとそのまま独走した。

 道下は山口県下関出身。小4年で角膜の病気を患い、中2で右目の視力を失った。のちに左目も発症し、視力は0・01以下。28歳で陸上を始め、31歳でマラソンに転向した。

 東京パラリンピックでは後半に待ち構える上り坂への対策として、夏合宿では徹底的に坂道トレーニングを行ってきた。「たゆまぬ努力を続けながら、進化を続けていきたい」。その言葉通り、パラリンピックの舞台で成長の証を見せつけた。

 道下は「今回は5年前の忘れ物を絶対に取りに行くぞって強い気持ちでみんなで準備してやってきたので、それが取れてすごく嬉しいです」とコメント。「序盤はペースを刻んでいって、後半勝負だと思っていたので坂の前から仕掛けるっていうのも予想はしていて、しっかりガイドの志田さんが後ろの状況を見てくれていたので上手いリードをとってくれました。今まで色んなレースで最後の2キロで失速とかもあったので、絶対ゴールするまで油断しないで行こう思って、でもトラックに入ってきたら落ち着いて笑顔で」とレースを振り返った。

 最後には「本当に今回の大会に向けて最高の伴走者と最強の仲間がいたので、ここにたどり着いたと思っているので本当にみんなで祝福したいです」と満面の笑みで語った。

 ◆道下 美里(みちした・みさと)1977年(昭52)1月19日生まれ、山口県下関市出身の44歳。小4で膠様(こうよう)滴状角膜ジストロフィーを患い、中2で右目の視力を失う。のちに左目も発症し、視力は0.01以下。26歳で陸上を始め、31歳でマラソン転向。16年リオデジャネイロパラリンピック銀メダル。昨年2月の世界新でスポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2020」グランプリ受賞。1メートル44、36キロ。

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