新入幕・一山本 勝ち越し王手 三賞狙える勢い 元公務員の27歳

[ 2021年7月13日 05:30 ]

大相撲名古屋場所9日目 ( 2021年7月12日    ドルフィンズアリーナ )

一山本(左)が寄り切りで千代丸を破る
Photo By 共同

 元公務員力士で27歳の新入幕、一山本が勝ち越しに王手をかけた。自身より49キロ重い千代丸を寄り切って7勝目。きょう10日目は23歳の琴ノ若とフレッシュな“2敗力士対決”に臨む。6場所連続休場から復帰した横綱・白鵬は千代大龍を、綱獲りの大関・照ノ富士は隠岐の海を寄り切り、ともに勝ちっ放し。1敗はいない。

 三賞も狙える勢いの一山本は「とりあえず勝ち越したい」と頬を緩めた。身長1メートル87は幕内平均1メートル83を上回るが、体重136キロは同160キロを下回る細身。立ち合いの突っ張りから左上手、右下手をつかんでも185キロの千代丸を真っ正面から寄るのは難しい。1分20秒に及ぶ膠着(こうちゃく)状態の末、タイミングを計って寄り切った。

 公務員という安定した立場から勝負の世界に飛び込んだ。中大卒業後は地元の北海道福島町役場へ就職。教育委員会の仕事に従事し、同町出身の横綱・千代の山、千代の富士を称える記念館で子供に相撲を教えた。次第に競技への情熱が再燃。16年にアマ実績に応じて入門の年齢制限が25歳未満にまで緩和され、その適用第1号として23歳の17年初場所で初土俵を踏んだ。

 取組後は会員制交流サイト(SNS)上で、しこ名の「一」が勝ち星の数に応じて変化することを楽しむという。「八山本になれるように頑張る」とにっこり。次の一歩に向け、はつらつと白星をつかみにいく。

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2021年7月13日のニュース