奈紗 五輪へ弾みV!最終日中止で2年ぶり米4勝目 金メダルへ「やるからには頑張りたい」

[ 2021年7月13日 05:30 ]

米女子ゴルフツアーマラソン・クラシック   最終日 ( 2021年7月11日    オハイオ州 ハイランドメドーズGC=6578ヤード、パー71 )

2年ぶりに米ツアーを優勝した畑岡奈紗(AP)
Photo By AP

 悪天候のため最終ラウンドは中止となり競技は54ホールに短縮され、初日から単独首位を走る畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)が通算19アンダーで優勝した。19年起亜クラシック以来2年ぶりの米ツアー4勝目。通算4勝は小林浩美と並ぶ日本人歴代3位。6打差の圧勝で東京五輪(8月4~7日、埼玉・霞ケ関CC)に向けて弾みがついた。笹生優花(20=ICTSI)は11アンダーで5位だった。

 雨の中、笑顔でトロフィーを受け取った畑岡は「こんな終わり方は想像していなかった。54ホールにはなったけど、今年優勝できて良かった」と2年ぶりの歓喜に浸った。

 レインウエアを着て1番からスタート。第2打でグリーンを捉えたが、バーディーパットを打つ前に中断のホーンが鳴った。その後は車で待機。再開することなく中止が決定した。ウオームアップ中にロッカールームで「おめでとう」と声を掛けられ、「冗談かと思った」と戸惑いの中で優勝決定を知った。

 初日から首位を守り自身初の完全優勝を達成した。54ホールの大会最少スコアを更新し2位に6打差をつけた。圧勝の原動力は苦い経験だった。

 6月の全米女子オープンでプレーオフに進出しながら、笹生に敗れてメジャー初制覇を逃した。その週の練習日に購入し大会中に使用したロゴ入りのボールマーカーを、今大会でも使用した。

 「“US WOMENS OPEN”と書かれているので、それを見て二度とあの悔しい気持ちになりたくないと思っていた」と発奮材料にしていた。

 2週前の全米女子プロ選手権はアイアンが不調で予選落ちした。試合がなかった前週はコントロールショットの精度を磨いた。その成果が表れ、3日間のフェアウエーキープ率は88・1%、パーオン率は88・9%と驚異的な数値を残した。

 14日開幕のペア戦ダウグレートレークスベイ招待(ミシガン州)を終えると、22日開幕の海外メジャー、エビアン選手権(フランス)には参戦せず帰国。「プロになる前からの目標だった」という東京五輪に備える。

 「去年勝てなくて自信がなくなっていた。五輪前のタイミングで勝つことができて自信になった。各国のトップ選手が集まる。やるからには金メダルを目指して頑張りたい」と力を込めた。

 ◇畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日生まれ、茨城県笠間市出身の22歳。母・博美さんの影響で11歳でゴルフを始める。17歳だった16年に日本女子オープンで史上最年少優勝を果たし、同年にプロ転向。17年から米ツアーに本格参戦し、翌18年のアーカンソー選手権で米ツアー初優勝。日米通算9勝。名前は米航空宇宙局(NASA)に由来。家族は両親と妹で、トイプードルの愛犬・アポロとステラが癒やし。1メートル58。

 【畑岡の過去米3勝】
☆アーカンソー選手権(18年6月)最終日にM・リー(オーストラリア)と並んで首位タイから出ると8バーディーの63で回り、通算21アンダーで初優勝を果たした。12年に22歳で勝った宮里美香を抜く19歳での日本勢最年少記録。「最後まで攻めるゴルフができた」

 ☆TOTOジャパンクラシック(18年11月)最終日に首位と4打差の3位から出ると、67をマークして通算14アンダーで逆転優勝。19歳10カ月での米ツアー2勝目は、初勝利に続く日本勢最年少記録。日本で唯一開催される試合での勝利に「勝ちたい、と強い気持ちを持っていた」。

 ☆起亜クラシック(19年3月)1打差2位からスタートし67で回って通算18アンダーで逆転。高真栄(コジニョン)、朴仁妃(パクインビ)、朴城炫(パクソンヒョン)(いずれも韓国)ら世界の強豪に3打差をつけての初の4日間大会制覇に、「自分のプレーに徹することができた」。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月13日のニュース