不屈の照ノ富士 史上初の大関復帰場所V 貴景勝に気合のリベンジ さあ綱獲り!

[ 2021年5月24日 05:30 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2021年5月23日    両国国技館 )

優勝決定戦で貴景勝(手前)を叩き込みで破る照ノ富士(撮影・小海途 良幹)
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 21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ケ浜部屋)が12勝3敗で並んだ大関・貴景勝(24=常盤山部屋)との優勝決定戦を制し、2場所連続4回目の優勝を飾った。大関復帰場所での優勝は史上初。自身は大関として通算15場所目で初の優勝となった。2場所連続優勝は18年春、夏の鶴竜以来3年ぶり。過去3度、苦杯をなめた優勝決定戦で賜杯を抱き、名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)では初の綱獲りに挑む。

 優勝決定戦を終えた花道で、照ノ富士は感極まったように左手で目元を覆った。

 「そんなに変わった感覚はないですが、いつもよりはうれしかった。決定戦になるといつも負けていました。一生懸命頑張ってきて良かった」

 昨年11月場所では本割で勝った貴景勝に敗れるなど過去3度進出した優勝決定戦では一度も勝てなかった。そして前回、大関在位した14場所では賜杯を一度も抱けなかった。両膝のケガと内臓疾患で序二段まで落ちてから、カムバックしてかなえた優勝には格別の味があった。

 遠藤に2敗目を喫した14日目。10秒を超える熱戦で取組後、両膝に痛みが出た。特に相手外掛けを受け止めた左足は深刻で、一夜明けたこの日朝、痛み止めの注射を打った。膝の負担を考えれば本割の一番で決めたかった。だが、甘くはない。立ち合い直後、貴景勝の低い当たりに上体を起こされ、前に出たところで突き落とされた。

 優勝決定戦では、本割の反省を生かした。右からかち上げ、攻め急がずに相手を見た。得意の右差しは嫌われたが、向き直って右喉輪で攻め込んだ。さらに見合った直後、貴景勝の首根っこを押さえつけるように冷静にはたき込んだ。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は「顔が違った。決定戦の方が気合が入っていた」と称えた。

 精神面の成長が勝因だ。春場所後の大関復帰の伝達式ではグラスに注がれた乾杯のビールに口をつけなかった。かつては酒豪で鳴らしたが、糖尿病や肝炎を克服し、今は自らを律することができる。今場所11日目の妙義龍戦ではまげをつかんでしまい、軍配差し違えで初黒星。取材対応せず、部屋へ戻ったが「取材を受けていたら評判が良かったかも」と冗談めかすほど心の余裕もあったという。

 審判部長を務める伊勢ケ浜親方は来場所の綱獲りについて「1年で3回優勝していますし2場所連続。準ずる成績ならそういう話も出てくる」と明言した。照ノ富士は「どこまで通じるか試したい。引退する時に全てを出し切ったと満足したい」と言った。気持ちの緩みは最後まで出さず、早くも次の15日間を見据えた。

 ◆照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお=本名ガントルガ・ガンエルデネ)1991年11月29日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の29歳。鳥取城北高から間垣部屋に入門し、11年5月の技量審査場所初土俵。部屋閉鎖で13年に伊勢ケ浜移籍。14年春場所新入幕。15年名古屋場所新大関。17年九州場所で関脇に転落。5場所連続休場から19年春場所に序二段で復帰。再入幕の20年7月場所で幕尻制覇。21年夏場所で21場所ぶりの大関復帰。優勝4回。殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は右四つ、寄り。1メートル92、177キロ。

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