畠田瞳、父娘五輪代表「どこでもドア」は夢の表彰台につながる

[ 2021年5月16日 05:30 ]

体操 NHK杯第1日 ( 2021年5月15日    長野市ビッグハット )

五輪代表入りを決めた畠田瞳の床運動
Photo By 代表撮影

 4月の全日本選手権の得点を持ち点とする女子の個人総合で、畠田瞳(20=セントラルスポーツ)が合計166・196点で2位に入り、東京五輪代表に決まった。父の好章・日体大男子監督(49)は92年バルセロナ大会の団体総合銅メダリストで、父娘での五輪は84年ロサンゼルス大会の山脇恭二、00年シドニー大会の佳奈以来。優勝した村上茉愛(24=日体ク)、3位の平岩優奈(22=戸田スポーツク)、4位の杉原愛子(21=武庫川女大)も代表となり、団体で64年東京大会銅メダル以来の表彰台を狙う。

 20歳の瞳から涙がこぼれる。初の五輪代表を決めた畠田は、場内インタビューで「今まで本当に頑張ってきて良かった」と声を震わせた。段違い平行棒では24選手中、唯一の14点台となる14・466点をマーク。全日本との合計では村上に及ばなかったが、この日の4種目は55・598点でトップだった。

 父の好章氏は92年バルセロナ五輪で団体銅メダル。「お父さんも出場した五輪に出たいと思っていたので、実現したのはうれしい」と喜ぶ娘を、父は「よく頑張った。五輪に出るとは元々、思っていなかった」とねぎらった。母の友紀子コーチはユニバーシアードには出場したが、五輪には届かず。最後の床運動を終えると、母と熱い抱擁をかわした。

 意外なきっかけで競技を始めた。小学3年の道徳の授業で「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄さんの人生を学んだ。粘り強く夢をかなえた同氏に感銘を受け「私に当てはまるのは体操」と決意し、日本のトップに成長。東京五輪では「家族に輝く姿を見せてあげたい」と気合を入れる。畠田の「どこでもドア」を開ければ、そこは団体の表彰台だ。

 ◆畠田 瞳(はたけだ・ひとみ)2000年(平12)9月1日生まれ、東京都出身の20歳。18、19年世界選手権女子代表。19年ユニバーシアード4冠。父は92年バルセロナ五輪男子銅メダリストの好章氏。早大、セントラルスポーツ。1メートル56、49キロ。
 

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