内藤雄士の90切りゴルフ【第3回 左足上がり、左足下がりの打ち方】

[ 2021年4月27日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(右)と野田すみれ
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 第3回は傾斜からの打ち方がテーマです。90切りを目指す人にとって、傾斜からナイスショットができるかどうかは大切です。内藤雄士コーチによれば、重要なのは肩のラインを水平に構えることだと言います。まずは比較的簡単な左足上がりから挑戦し、最も難しいと言われる左足下がりからの打ち方をマスターしましょう。アシスタントを野田すみれさんが務めます。

 内藤 野田さんは傾斜からのショットに苦手意識はありますか?

 野田 左足上がり以外の傾斜はあまり得意じゃありません。

 内藤 少しアッパー気味に振るので左足上がりは得意だと思うけど、逆に左足下がりは苦手になるのかな。とりあえず、基本的な打ち方を説明しましょう。まず、平地に立った状態でクラブヘッドを体の正面に持ち上げます。腰の高さぐらいで構いません。肩のラインが水平になるようにしましょう。その肩のラインをキープしたまま左足上がりの傾斜に立ちます。左膝は軽く曲げておきましょう。

 野田 ボールの位置はどうしますか?

 内藤 スタンスの中央よりも1個分ぐらい左です。アドレスすると、膝のラインは傾斜と平行ですが、肩のラインは水平になります。左膝を軽く曲げた分、重心が左にきますが、体をきれいに回転できるメリットがあります。平地に近い感覚でスイングできる分、かなり打ちやすいと思いますよ。

 野田 確かに今までよりも打ちやすいです!

 内藤 続いて野田さんの苦手な左足下がりについて説明しましょう。やはり、最初は平地に立ち、肩のラインを水平にします。そのまま左足下がりのライに立ちますが、今度は右膝を軽く曲げて下さい。膝のラインは傾斜と平行です。今回はボールを結構右に置いて構いません。右足親指の延長戦上の少し左、もしくは右足親指の延長戦上の前でもいいでしょう。右足寄りに重心がきますが、スイング中は右足体重をキープするのがポイントです。

 野田 今までは全体重を左足に乗せ、それをキープしてスイングしていたので、全く違うアドレスとスイングになりますね。

 内藤 これまでの打ち方だとロフトがかなり立ってしまうので、ボールが上がらなかったと思われます。打ち下ろしのホールならまだしも、場合によってはグリーンに対して打ち上げのホールがありますからね。そのときはどう対処していたんですか?

 野田 ボールを上げることは最初からあきらめていました。左足下がりのライからはボールが上がらないものだと考えていたので…。

 内藤 試しに先ほどのアドレスとスイングでボールを打ってみましょう。今までの認識が変わりますよ。

 野田 すぐにはうまく当たりませんが、ボールが今までよりも確実に上がりそうな雰囲気は感じられます。

 内藤 慣れてくれば、平地と同じ感覚で打てるようになります。ロフトがそれほど立たないので、ボールを上げられるのがメリットです。基本的に左足上がりのライではフック系の球が、左足下がりのライではスライス系の球が出ます。どの程度曲がるかは傾斜の度合にもよりますが、あらかじめ曲がりを計算して目標の右や左を向くことで、方向性をコントロールしましょう。

(取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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