佐藤 男子200平泳ぎ日本新&世界歴代2位でV!北島以来3大会ぶり金見えた

[ 2021年4月8日 05:30 ]

競泳日本選手権兼五輪代表選考会第5日 ( 2021年4月7日    東京アクアティクスセンター )

競泳日本選手権男子200メートル平泳ぎ決勝、日本新記録で優勝を果たしガッツポーズを見せる佐藤(撮影・会津 智海)
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 男子200メートル平泳ぎ決勝は佐藤翔馬(20=東京SC)が世界歴代2位となる2分6秒40の日本新記録で優勝した。100メートル平泳ぎを制して手に入れたメドレーリレーに続く2枚目の五輪切符を獲得。男子平泳ぎで04年アテネ、08年北京五輪連続2冠の北島康介以来の金メダルを視界に捉えた。女子100メートル自由形準決勝では池江璃花子(20=ルネサンス)が54秒36の全体1位で8日の決勝に進出。女子400メートルメドレーリレーに続く、代表権獲得に前進した。

 電光掲示板に目をやり、佐藤が拳を握った。1月の北島康介杯で0秒11、2月のジャパン・オープンで0秒07届かなかった日本記録を0秒27更新。世界記録にも0秒28に迫り「ここで日本記録を出すことが東京五輪につながると思っていた。世界記録も見えてきた」と笑顔を見せた。

 午前の練習では通常9回のキックで泳ぐ距離に8回で到達するなど絶好調。前半からハイペースで飛ばし、150メートルのターン時に周囲を見て「誰もいないな」と勝利を確信する圧勝だった。

 ここ2年で自己ベストを5秒以上縮めた。柔軟性とバネを兼ね備えた下半身の推進力が武器。足首の可動域が広く、多くの水を捉えられる特長がある。昨夏から2月上旬までは課題のプルを強化。今年に入り優勝候補の本命となり「選考会が早く終わってほしい」と何度も口にした。西条健二コーチは「“早く泳ぎたい”ではなく“早く終わってほしい”。重圧を感じていたのだと思う」と振り返った。

 小学校から慶応一筋の生粋の慶応ボーイ。消化器内科医の父が4代目という医師の家系に育った。生後半年から「スパ白金」で水泳を始め、少年野球チーム「オール麻布」ではプロ野球・日本ハムの清宮幸太郎の1年後輩。家族からは「やる気があるなら、競技引退後に医者になるための協力はする」と言われている。決勝後に両親とコーチへの感謝を口にすると「俺、泣きそう」と目頭を熱くした。

 東京SCの先輩でもある北島康介氏が憧れの存在。初対面した09年の大会でサインをもらい「その大会で平泳ぎが一番いい結果だったので平泳ぎを専門にした」と言う。レース直後には世界記録保持者チュプコフ(ロシア)から祝福メッセージが届いた。東京五輪に向け「康介さんも獲った金メダルを僕もしっかり獲りたい」と宣言。課題のターンとラスト50メートルに磨きをかけ、世界の頂点に挑む。

 ◆佐藤 翔馬(さとう・しょうま)2001年(平13)2月8日生まれ、東京都港区出身の20歳。慶大商学部3年。北島康介が育った東京SCに小3から所属。好きな食べ物はタピオカ、牛タン。1メートル77、74キロ。

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