アーチェリー、古川 5大会連続五輪代表 妻が支え“春の嵐”の中2位

[ 2021年3月22日 05:30 ]

アーチェリー 東京五輪代表最終選考会最終日 ( 2021年3月21日    東京・夢の島公園アーチェリー場 )

アーチェリー東京五輪最終選考会 的を狙う古川(撮影・会津 智海)
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 男女各4人が出場して行われ、72射合計得点の上位各3人が代表に決まった。男子は、2012年ロンドン五輪銀メダリストの古川高晴(36=近大職)が5大会連続切符。女子はロンドン五輪団体銅メダルの後、一時引退した早川漣(33=デンソーソリューション)が2大会ぶりに返り咲いた。ほかの代表4選手はいずれも初出場となる。

 20歳で04年アテネ五輪に初出場して17年。トップ選手であり続けた古川が、5度目の五輪代表を手にした。

 嵐のような荒天に苦しんでの2位に12年ロンドン五輪銀メダリストは「うれしさ半分、引き締まる思いが半分」と冷静に語った。

 18年7月、6歳下の食品会社勤務の女性と結婚。過去4回と違い、家庭を持って五輪に出る。コロナ禍の昨春、練習さえもできない毎日に、弱気が口をついた時「ゆっくりやったら?」と励まされた。最愛の人の前で「弱気は言えない」と気持ちが引き締まった。

 管理栄養士の視点で、食生活も支えられ、大好きな炭水化物の同時摂取「ラーメン・ライス」も控える。サポートしてくれる妻の存在が、競技生活に張りを持たせてくれている。結果を出し「うれしさより感謝。家族、コーチ、仲間、支えてくれた方々に感謝したい」と礼を口にした。

 2大会でメダルを獲得した山本博に、五輪代表の通算回数で並び、連続回数では抜いた。「完全に超えたいですよね」とつぶやいた一言が意味するのは、24年パリ五輪出場だ。東京で表彰台に上がり、大手を振って「6度目」の夢に向かう。

 ◆古川 高晴(ふるかわ・たかはる)1984年(昭59)8月9日生まれ、青森市出身の36歳。青森東高で競技開始。五輪は04年アテネから4大会連続出場し、12年ロンドンは銀メダル。15年世界選手権で銅メダル、18年ジャカルタ・アジア大会は混合リカーブで金メダルを獲得した。近大卒。1メートル75、87キロ。

 【このほかの代表選手】
 ◆武藤 弘樹(むとう・ひろき)1997年(平9)6月26日生まれ、愛知県あま市出身の23歳。東海中で先輩の姿に憧れ競技を始めた。14年南京ユース五輪6位、15年世界ユース選手権ジュニア男子団体銅メダル。18年ジャカルタ・アジア大会、19年世界選手権出場。慶大卒。1メートル75、76キロ。

 ◆河田 悠希(かわた・ゆうき)1997年(平9)6月16日生まれ、広島県廿日市市出身の23歳。佐伯高2年だった14年に全日本選手権で最年少優勝を果たし19年に王座に返り咲いた。17年アジア選手権2位。18年に18メートルの室内日本記録を樹立。日体大卒。1メートル78、79キロ。

 ◆早川 漣(はやかわ・れん)1987年(昭62)8月24日生まれ、韓国・全州市出身の33歳。小学3年で競技を始める。08年北京五輪代表の姉・浪(なみ)を追って07年に来日し、09年に日本国籍を取得。12年ロンドン五輪団体銅メダル。14年国体後に第一線を退いたが、16年に復帰した。日体大卒。1メートル80、78キロ。

 ◆中村 美樹(なかむら・みき)1992年(平4)9月12日生まれ、山形県鶴岡市出身の28歳。中学で先輩の姿に憧れて競技を始める。14年世界室内選手権2位。17年はW杯アンタルヤ大会団体2位に貢献し、世界選手権にも出場した。日体大卒。1メートル62、74キロ。

 ◆山内 梓(やまうち・あずさ)1998年(平10)9月11日生まれ、浜松市出身の22歳。浜松商1年に弓道部がなかったためアーチェリーを始め、近大に進学。19年はユニバーシアード8位、アジア・カップ第2戦9位の成績を残し、全日本学生個人選手権で優勝した。1メートル59、46キロ。

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