社員ルーキー片岡が導いた好発進 1カ月遅れ開幕のラグビートップチャレンジで近鉄が70点爆勝

[ 2021年2月15日 05:30 ]

ラグビー トップチャレンジ第1節   近鉄70ー33清水建設 ( 2021年2月14日    花園ラグビー場 )

<近鉄・清水建設>後半6分、走り込みトライを決める近鉄・片岡(右) (撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 コロナ禍で開幕が1カ月遅れていたラグビーの2部リーグ「トップチャレンジ」の第1節最終日が花園ラグビー場で無観客で行われ、清水建設と対戦した昨季優勝の近鉄は、フレッシュマンが活躍して、70―33で開幕星を挙げた。オーストラリア代表70キャップのSOクウェイド・クーパー(32=オーストラリア)が「息子」とかわいがる入社1年目のWTB片岡涼亮(23)が2トライ。“親子ホットライン”がチームを勢い付かせた。

 新人の活躍は、開幕戦にふさわしい話題だ。近鉄のWTB片岡が、ポカポカ陽気の無観客の花園で2トライ。そのうちの1本が、19―7の前半29分、敵陣深い位置でのスクラムからの展開だ。SOクーパーのバックフリップパスを、左タッチライン際でしっかりと反応してつかみ、インゴールへダイブした。

 「最初、緊張もあったんですけど、ロッカーで(仲間から)声をかけてもらってリラックスして臨めた」

 デビュー戦の胸の高鳴りを抑えてくれた1人が、ラストパスをくれた世界的司令塔だ。「息子」とかわいがられ、圧力鍋をプレゼントされたことがある。自身は「パパ」と呼んで慕う。計12トライの圧勝劇の中で、年の差9歳の“親子ホットライン”が光った。

 立命大を出たばかりの昨春、消極的なプレーを「パパ」に怒られ、「思い切りやってミスをしよう」と切り替えた。近鉄不動産勤務の社員選手が、スーパースターのプロに遠慮なくパスを要求。積極性と力強いランが評価されると同時に、名手の感性に触れたことで「ラグビーの知識が増えた」と力を付けた。

 チームの目標は、トップチャレンジ4位以内とトップリーグ16チームが争う「プレーオフトーナメント」で「トップ8」に入ること。頼もしいルーキーが下克上の起爆材になる。 (倉世古 洋平)

 ◆片岡 涼亮(かたおか・りょうすけ)1997年(平9)10月22日生まれの23歳。大阪府摂津市の摂津四中で競技を始める。当時の憧れが、チームメートのSOクーパーとSHゲニアで「動画で(プレーを)調べていた」。流通経大柏、立命大を経て近鉄入り。1メートル71、83キロ。

続きを表示

2021年2月15日のニュース