森会長発言に“NO”…五輪・パラボランティア約390人が辞退 スポンサーも厳しい声

[ 2021年2月9日 05:30 ]

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視とも取れる発言をしたことを受けて、8日正午までに大会ボランティアの辞退者が約390人に上ることが明らかになった。組織委によると、辞退理由は問わず、森氏が発言を撤回し謝罪した4日から8日正午までの5日間で集計。登録者8万人における約0・5%だという。

 辞退した女性は本紙の取材に「森会長の下でお手伝いをしたくないと思いました」と告白。コロナ禍で不安や迷いもあったがボランティア活動が初めてとあって、国際交流を楽しみにしていた。「森会長の発言や謝罪会見の様子を見て、とても反省しているようには見えず五輪への楽しみがなくなりました」と失望感を口にした。

 森氏の発言を理由に辞退を申し出た聖火ランナーは2人。コールセンターへの問い合わせは約4550件に上った。東京都は観光案内などを行う都市ボランティアの辞退が53件あったことを発表。苦情や抗議は1162件だったという。

 関係者によると、スポンサーからも厳しい意見が相次いだ。組織委はこの日、スポンサーへの説明の場を設け、週内にも理事会と評議員会による臨時の合同会合を開催する方向で調整に入った。

 組織委理事には元選手や競技団体、企業関係者、都議会議員、国会議員らが就いている。評議員会は理事会の上部機関に当たり、日本サッカー協会の川淵三郎元会長らが名を連ねる。会合は12日が有力だ。森氏に辞任する考えはないとしているが、世論の反応を踏まえ、組織委として早急に対応を協議する必要があると判断した。

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2021年2月9日のニュース