八村が復帰　今季初戦で17得点＆鮮烈アシスト　しかしウィザーズは開幕5連敗

[ 2021年1月1日 09:46 ]

　両目の結膜炎で出遅れていたウィザーズの八村塁（22）が31日、地元ワシントンDCでのブルズ戦でNBA2季目の自身初戦に臨み、25分の出場で17得点、5リバウンド、3アシストをマークした。出場時間帯のチームスコアはウィザーズの中ではベストのプラス13点。しかしチームは第4Qで4度リードを奪いながら130―133（前半68―71）で敗れ、8季ぶりの開幕5連敗を喫した。

　八村は開始31秒に右サイドから放った3点シュートをいきなり成功させた。2分42秒にもロケッツからのトレードで移籍してきたラッセル・ウエストブルック（32）のアシストを受けて同じ右サイドから“長距離砲”をさく裂。5分3秒には速攻からブラドリー・ビール（27）のパスを受けてゴール下でシュートを成功し、ウェンデル・カーターJR（21）の反則を誘って得たフリースローをも決めて3点プレーを成立させた。

　実戦は12月13日のプレシーズンゲーム（対ネッツ）以来、18日ぶりだったが5分38秒間出場した第1Qだけで10得点をマーク。第2Qの5分45秒には左エルボーからの1対1で、ドラフト全体4番目に指名された新人パトリック・ウィリアムス（19）をドリブルとポンプフェイクでかわし、カーターJRがカバーしてきたと見るや、ボールを背中に回すビハインドバック・パスを披露して、ゴール下にいたトーマス・ブライアント（23）のシュートにつなげた。

　現地で試合を放送していた実況アナは見事なパスさばきに「コンニチハ・ルイ、それはいったい何なんだ？」、解説者は「彼のアシストの中でベストだ」と2季目で見せた“進化”を驚嘆。新人だった昨季の自身初戦（開幕戦＝対マーベリクス）では25分の出場で14得点だったが、2季目は前半だけで15得点を稼いでその記録を上回った。第2Qの2分すぎにはトップの位置から左のローポストにいたウエストブルックにパスしたあとインサイドに突進してリターン・パスをもらっており、シュートはブロックされたものの、昨季はあまり見ることのできなかった“カッター”としての役割も果たした。

　ウィザーズは第3Q終了時点で7点差をつけられたが第4Qに入って1点差と2点差ながら4回リード。ビールは28得点、ウエストブルックは22得点、10リバウンド、11アシストで出場4試合連続でトリプルダブル、ブライアントは3本の3点シュートをすべて決めて28得点を稼いだが5戦目も勝利には結びつかなかった。ダビス・バターンズ（28）は通算成功率が41・0％だった3点シュートを6本すべて失敗してフリースローによる3得点のみ。判定に文句を言ってウエストブルックやバターンズらが計4回テクニカル・ファウルを宣告され、与えた4本のフリースローのうち3本を決められており、これが土壇場でのスコアに影響する結果になった。ウィザーズ自体のフリースローも41本中9本失敗（八村は8本中3本失敗）しており、開幕5戦目で最も勝機があった試合だったにもかかわらず細かい部分で競り負ける形となった。

　ブルズはウィザーズからだけの勝利ながら2勝3敗。2013年のドラフト全体3番目にウィザーズに指名されて6季在籍したオットー・ポーターJR（27）が古巣相手に28得点、ザック・ラビーン（25）が22得点を挙げるなど計7選手が2ケタ得点を記録し、このカードは29日の勝利を含めてここ10戦で8勝目を挙げた。

　なおウィザーズは1日に敵地ミネアポリスでティンバーウルブスと今季6戦目を行う。

　＜八村の全プレー＞

　▼第1Q（出場6分22秒＝10得点）
（1）31秒・右サイドから3点シュート＝〇（アシスト・ウエストブルック）
（2）2分42秒・右サイドから3点シュート＝〇（アシスト・ウエストブルック）
＊3分18秒・フリースロー2本＝〇×
（3）5分3秒＝速攻からゴール下でレイアップ。カーターJRの反則を誘う＝〇（アシスト・ビール）
＊5分3秒・フリースロー1本＝〇
　▼第2Q（出場7分28秒＝5得点）
＊2分18秒・フリースロー2本＝〇×
（4）2分43秒・ウエストブルックからパスをもらってインサイドに切れ込むもブロックされる＝×
（5）4分20秒・ネトのスクリーンを生かして正面からプルアップでジャンプシュート＝〇
＊6分28秒・フリースロー2本＝〇〇
　▼第3Q（出場4分39秒＝2得点）
（6）30秒・右サイドからプルアップからジャンプシュート＝×
（7）4分5秒・左エルボー付近からドライブイン＝×
（8）4分17秒・左ローポストからのパワープレー＝〇
＊4分17秒・フリースロー1本＝×
　▼第4Q（出場6分48秒＝無得点）
＊シュート機会なし