北口榛花「あー、2センチ」 僅差の逆転負けで連覇逃す

[ 2020年10月1日 16:39 ]

陸上・日本選手権第1日 ( 2020年10月1日    新潟市・デンカビッグスワンスタジアム )

女子やり投げ決勝、2位の北口榛花(撮影・小海途 良幹)
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 女子やり投げの日本記録保持者(66メートル00)の北口榛花(22=JAL)は、連覇を逃した。59メートル30で2位に終わり「自分が60メートルを投げられなかった。誰に抜かれてもおかしくない記録だと思った」と潔く敗北を認めた。

 「3投目までに62~63メートル」という序盤からエンジンをかける計画は不発だった。1投目に57メートル42を出したあと、2、3投目は失敗スローだったため、白線を踏み越えてファウルとした。

 全体3番目の記録で決勝に進んでも調子が上がらない。4投目がこの日の最長距離。この4投目を含め、5、6投目も、地面にやりが刺さらないというトップ選手としては珍しいことも起きた。最後の投てきで佐藤友佳に59メートル32を投げられ、2センチ差で敗れた。

 敗れた後、佐藤を称えるように抱きついた。「あー、2センチと思って。もうちょっと抜かれたらすがすがしかったけど、2センチと思って抱きついちゃいました」。明るい性格の持ち主らしく、会見でも普段と同じような口調だった。

 「5、6投目は(63メートル45を出した)全日本実業団のようにひねりを多く入れてみたけど、やりを長く持ちすぎて、カーブしてしまった」

 コロナ禍で練習が例年よりできない中、今季は新しい助走にトライした。「こうやって日本選手権ができることだけですごいというか、自粛期間中では考えられないことですし、練習より試合が好きなので、試合を楽しくできたと思う」。来年の東京五輪で活躍が期待される日本のホープは、最後まで潔かった。 

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2020年10月1日のニュース