内村航平 鉄棒H難度成功も14・200点で6位 宮地秀享の15・366点に及ばず

[ 2020年9月22日 17:10 ]

体操・全日本シニア選手権 ( 2020年9月22日    群馬・高崎アリーナ )

<体操全日本シニア選手権>種目別の鉄棒に臨む内村(撮影・会津 智海)
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 種目別の鉄棒に絞って来夏の東京五輪を目指す内村航平(31=リンガーハット)がスペシャリストとしての初戦に臨み、H難度の大技「ブレトシュナイダー」を決めたが、大きな減点があり14・200点で6位だった。I難度の「ミヤチ」などを完璧に決めた宮地秀享(茗溪ク)が15・366点で優勝した。

 2月に団体総合、個人総合ではなく得意種目の鉄棒に専念する決断を下してから約7カ月。「動画を1万回くらい見ている」と研究してきた「ブレトシュナイダー」を実戦で初投入し、バーをつかんだものの、その後に車輪につなげられなかった。「カッシーナ」や「コールマン」などの離れ技は決め、着地は止めた。

 09年世界選手権から16年リオデジャネイロ五輪まで、個人総合で前人未到の8連覇を達成。だが、16年12月のプロ転向以降、故障が増え、昨年は深刻な両肩痛に悩まされた。患部への負担を考慮し、オールラウンダーからスペシャリストへ転向。個人総合時代は演技の通し練習は週2回だったが、鉄棒に絞った今は週3回行っている。

 「6種目やっていた時よりは客観的に見て演技が少し大きくなったの変化かなと思う。以前よりは鉄棒のバネをうまく使えている」。自信を深めて昨年8月の全日本シニア以来、389日ぶりの実戦に臨んでいた。

 鉄棒に特化した練習を始めてから約7カ月で、大技の成功まで到達した。スペシャリストのキングに、前進はあっても後退はない。新たな道は、TOKYOの夢舞台につながっている。

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