九州ゴルフ場「Withコロナ」でも楽しく スループレーで感染防止

[ 2020年5月27日 08:12 ]

ソーシャルディスタンスを守り、同伴競技者と距離を取ってプレー(佐賀・ブリヂストン)
Photo By スポニチ

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が5月25日、全都道府県で解除されたが、九州・沖縄、山口の各ゴルフ場は緩むことなく感染防止対策を続けている。

 筑紫ケ丘ゴルフクラブ(福岡・那珂川市)では橋元忠則支配人が「お客様からはもちろん、従業員からも誰ひとり感染者を出さないつもり」と決意を話す。同クラブは関連コースの芥屋、福岡雷山(ともに糸島市)と歩調を合わせ、福岡県の緊急事態宣言発令(4月7日)に先駆け、3月30日にはガイドラインを作成。ロビー、ロッカーの次亜塩素酸水噴霧や、レストランの消毒、浴室の一部閉鎖などの防止対策を講じた。ゴルファーには来場時のマスク着用、検温と手・指のアルコール消毒などの協力を要請。「プレーヤーは面倒でしょうが、これだけやってくれると逆に安心できるのでいいという声も聞きます」と橋元支配人は来場者の協力に感謝する。

 1957年(昭32)に開場した佐賀県屈指の名門、ブリヂストンカンツリー倶楽部(鳥栖市)ではよりきめ細かく45項目にわたる防止マニュアルを作成した。キャディ全員がマスクと手袋を着用し、不特定の人が触るバンカーレーキ(ならし)を撤去。ピンを立てたままボールが取り出せるようにカップを底上げした。レストランでは通常4人がけのテーブルを4つ合わせて4人で使うなどソーシャルディタンスを確保した。

 「パットは1グリップ以内ならOK。バンカーの跡は足でならしてもらい、ライが悪ければプレースするローカルルールを推奨しています」と古賀幹也支配人。感染を防ぎながらのプレーを楽しむようアドバイスする。

 そんな中でコロナと共生するための新たなプレースタイルが垣間見えてくる。レストラン利用やカート乗車時の“密”を避けるため18ホールを続けて回るスループレーや、1人または2人など少人数でのラウンドを望む声が増えている。そのためブリヂストンは6月末まで1~2バッグの追加料金を免除。おにぎり、カツサンドなどお弁当付きのスループレー「ピクニックラウンド」を開始して好評だ。筑紫ケ丘も18ホールスループレー用にカツサンド、おにぎりセットなどテイクアウトランチ販売を始めた。

 標高430メートルにあり夏場の涼しさが人気の北山カントリー倶楽部(佐賀市三瀨村)もスループレーを推奨し弁当販売を始めた。「中にはお弁当も頼まずプレーだけを楽しむ方も多くなった。ゴルフ場として売り上げ減は痛いがこれから海外のようにスループレーを中心にゴルフの楽しみ方が変わっていくかも」と江頭正紀総支配人は変化を示唆する。大博多、北九州、福岡国際など九州で17コースを運営するPGMグループもスループレーを推奨しており“密”を避けるための行動変容は始まっている。

 午前に9ホール。レストランでの昼食をはさみ、午後のハーフを終え、お風呂に入って1日をゆっくり過ごす“接待型”からスループレーの“スポーツ型”へ。「Withコロナ」のゴルフは様変わりしつつあるようだ。

 ○…コロナ禍による外出自粛の影響から九州・沖縄のゴルフ場来場者は大きく減少した。九州ゴルフ連盟によれば九州・沖縄の加盟192クラブ全体で4月は前年比27・8%ダウン、5月は約4割減となる見通しという。

 同連盟が主催する競技も3月の九州スーパーシニアカップから5月の九州女子アマ、九州アマ、6月の九州オープンなど開催を全て延期。7月の九州小学生、九州ジュニアは中止となった。競技は7月1、2日の九州アマ予選から再開。同14、15日は九州女子アマ、8月は九州アマ、9月に九州オープンを開催する予定。アマ競技も開幕に向けていよいよ動き始めている。

続きを表示

この記事のフォト

2020年5月27日のニュース