富永啓生 夢のNBAへ“八村の道”歩む!米留学中19歳、NCAA1部で活躍してドラフト指名狙う

[ 2020年5月27日 05:30 ]

オンラインでインタビューに応じた富永

 NBAを目指して米テキサス州レンジャー短大に留学中の富永啓生(19)がオンラインインタビューに応じた。21年秋から全米大学体育協会(NCAA)1部のネブラスカ大に編入することが内定。昨年のドラフトでウィザーズから1巡目指名を受けた八村塁(22)に続くドラフト指名への青写真や、1年延期となった東京五輪への思いなどを語った。

 コロナ禍により富永は今月1日に留学先の米国から一時帰国した。公共交通機関を使えないため、成田空港まで家族に車で迎えにきてもらい、地元の愛知県に戻った。2週間の自宅待機を終えたが、現在も外出は極力控える。実家の庭にあるリングを使ってのシュート練習や筋力トレなどできる範囲でトレーニングする日々だ。

 「今は家でできる範囲で練習しています。(母校の)桜丘高が練習を再開したら行こうと思っています。米国の生活拠点のレンジャー市は凄く田舎で遊ぶ場所もない。車を持っていないので、向こうでの生活は学校と寮を行き来するぐらいで、ステイホームに近いです」

 昨年からレンジャー短大に留学。18年に全米短大選手権で準優勝した強豪校で、バスケと語学のレベルアップに励む。3月4日の試合を最後に打ち切られた1年目のシーズンは31試合に出場し、1試合平均16・8点、2・3リバウンドを記録。3点シュート成功率は47・9%で、今季Bリーグでトップの松井啓十郎(京都)の47・2%を上回る数字を残した。

 「日本と米国のバスケの違いを経験できたことは大きい。身体能力の高さや手足の長さに戸惑い、プレシーズンは自分のプレーが出せなくて悩みましたが、徐々に慣れて得点も伸びた。練習中に選手同士がよくケンカすることには驚きました。殴り合いまではいきませんが、つかみ合ったりする。でもコートを出ればわだかまりはないんです」

 活躍が目に留まり、21年秋からNCAA1部ネブラスカ大に編入することが内定した。NCAAトーナメント優勝校を多く輩出する強豪ぞろいのビッグテン・カンファレンスで、ドラフト指名でのNBA入りを目指すことになる。

 「ネブラスカ大でエース的な存在になって、NBAのチームから目を付けられてドラフトにかかることが目標。ビッグテン・カンファレンスの強豪チームを倒していきたい。レンジャー短大で最後の年となる20~21年シーズンは、今年中止になった全米トーナメントで優勝したい。3ポイントの確率を50%台後半ぐらいまで上げて、1試合平均20~25点は取りたいですね」

 東京五輪が1年延期となり、出場への思いは強くなった。昨年11月には日本協会の東野技術委員長も視察に訪れており、逆転での日本代表入りのチャンスはある。

 「東京五輪は元々出たい気持ちは強かったけど、1年延期になってより思いは強くなりました。日本代表のスタッフの方からは“ディフェンスとリバウンドが向上したらチャンスはある”と言われています。まだまだ伸びないといけない」

 NBAでMVP2度のステフィン・カリー(ウォリアーズ)のようにどんな位置からも3点シュートを決めることから、和製カリーの異名を持つ。

 「留学前にイベントでカリー選手と話す機会があり、米国に行くと伝えたら“大変だろうけど頑張って”と言われました。その言葉は凄く励みになっています」

 ≪現在は日本人2選手≫現在NBAでプレーする日本人はウィザーズの八村、グリズリーズの渡辺雄太(25)の2人。八村は明成高から米ゴンザガ大に進学し、3年を終えた昨年のドラフト1巡目全体9位指名された。渡辺は尽誠学園高から米国のプレップスクールを経てジョージ・ワシントン大に進学。卒業後にNBAサマーリーグに参加し、下部のGリーグのクラブに所属しながら一定期間NBAでプレーできるツーウエー契約をグリズリーズと結んだ。馬場雄大(24)は筑波大、BリーグA東京を経て、昨季からGリーグのレジェンズに所属し、NBAを目指してプレーしている。

 ◆富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日生まれ、愛知県出身の19歳。父は2メートル11の長身で98年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。幼少期からバスケットボールが身近にあり、岩成台中、桜丘高を経て、昨年レンジャー短大に進学。U―16、U―18アジア選手権に出場。1メートル85、69キロ。左利き。

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