「体力の限界」千代の富士引退…大横綱の潔い引き際に栄光際立つ

[ 2020年5月27日 05:00 ]

夏場所メモリー   貴闘力(西小結) とったり 千代の富士(西張横綱) ( 【3日目】1991年5月14日 )

91年5月14日、千代の富士(左)は貴闘力に敗れ引退(左奥は貴花田)
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 1勝1敗で迎えた新小結・貴闘力との一番。35歳の千代の富士は突き押しを受けて後手に回り、右差しを狙ったところで腕を手繰られた。そして力なく向正面に横転した。黒星から約2時間20分後の会見。「体力の限界。気力もなくなり引退することになりました。以上です」と涙を拭いながら22年の現役生活に別れを告げた。

 31回目の優勝を飾った直後の91年初場所で左腕を痛め、途中休場を強いられた。春場所は全休で、横綱昇進後初めての2場所連続休場となった。再起を懸けた場所は初日に18歳の貴花田に敗れた。その時点では「もう少し」と気力は残っていたが、白星を挙げた2日目の板井戦でも納得のいく相撲が取れなかった。「今日負けたら引退する」と覚悟を決めて臨んだ土俵だった。

 大鵬の最多優勝記録まであと1回と迫っていただけに引退を惜しむ声はあった。だが、千代の富士に未練はなかった。「遠い記録だったが近づけただけで満足」。潔い引き際で、小さな大横綱の栄光はより際立った。

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