藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第6回 アイアンショットの基本】

[ 2020年5月15日 12:00 ]

アイアンショットの練習法を解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはアイアンショットの基本についてです。藤田寛之プロによれば、アイアンをうまく打てない人の多くは、スイングの最下点よりも手前でインパクトを迎えていないと言います。その結果、ダフリやトップなどのミスが多く出るわけです。ティーチングプロのジミー常住氏が藤田流の上達ポイントを聞きました。まずは、スイングの最下点よりも手前でボールをとらえる感覚を身につけましょう。

常住 アイアンショットの精度を上げるにはどうするべきでしょう?

藤田 まずはしっかりとしたスイングの軸をつくることですね。後から説明しますが、自分にとってどこがスイングの最下点かを知るためにも、スイング軸は大切な要素になります。

常住 スイング軸をつくるコツを教えて下さい。

藤田 7Iを持ったら、スタンスを肩幅よりも狭めた状態で、連続素振りを素早く行ないます。振り幅は両手が右腰から左腰の高さにくる範囲です。頭を動かさず、腹筋に力を入れながら10回ほどスイングしてみましょう。クラブを振り続けていくうちに、体に芯ができていることを感じるはずです。それがスイング軸となり、ミート率がアップします。ポイントはインパクトゾーンで手首を返すことです。

常住 ボールがつかまりそうですね。

藤田 アベレージゴルファーの場合、ミドルアイアンのようにクラブが長くなると、ボールをつかまえにくいと感じます。それは手首をしっかりと返していないからです。軸を中心にクラブを振り、手首を返すことができれば、こすり球のようなスライスも減るでしょう。この連続素振りを行なった後にボールを1球打つ練習を繰り返すことで、ミドルアイアンへの苦手意識もなくなります。

常住 アイアンが苦手な人には、ボールがつかまるまでこの練習を続けてほしいですね。

藤田 100ヤードぐらい飛べば十分ですが、手首を返していれば、フックが出るはずです。あとはスイングの最下点よりも手前でボールをとらえることを覚えましょう。個人的にはアイアンショットで最も大切なポイントだと認識しています。

常住 アベレージゴルファーの多くは、スイングの最下点を過ぎてからインパクトを迎えていますからね。

 藤田 ボールを上げようとする意識が強いからです。それがダフリやトップの原因にもなっています。実は、スイングの最下点は常に一定ではありません。日によって異なれば、クラブによっても違います。ボールを打つ前に、実際に素振りを行い、どこが最下点なのかを確認する習慣を身につけてほしいですね。最下点が分かった後で、ボール1個、もしくは2個分右にボールをセットします。

常住 素振りのときと同じスイングができれば、スイングの最下点よりも手前でボールをとらえるわけですね?

藤田 はい。つまりダウンウンブローの軌道でインパクトを迎えていることになります。その結果、ボールに対して正しいロフト角で当たるので距離も出るし、適正なスピン量も得られるのでグリーンに落ちた後も止まってくれます。当然、ボールの手前を打つダフリや一度地面に当たってからヘッドがボールに当たるトップもなくなります。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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