“モデルジャンパー”秦澄美鈴 競技歴2年で走り幅跳び日本女王 所属先ではイメージガール

[ 2020年5月15日 05:30 ]

TOKYOへ美しき挑戦

所属するシバタ工業が作るレインブーツのモデルを務めた秦(同社提供)
Photo By 提供写真

 東京五輪が1年延期されたことで、大舞台へのチャンスが広がる選手たちがいる。女子走り幅跳びの秦澄美鈴(24=シバタ工業)は、異種目から転向して間もなく日本のトップになった。ルックスにも注目が集まる美女アスリートを紹介する。

 走り幅跳びの日本女王にしてモデルだ。秦は整ったルックスを買われ、所属先「シバタ工業」のレインブーツのイメージガールを務めた。「小さい頃からモデルをやりたかったけど、やってみると緊張して…」。試合前の験担ぎは、美容院やネイルサロンに行くこと。女子力は高い。

 武庫川女大では当初、走り高跳びが専門だった。2年時にインカレで2位。しかし、記録が伸び悩み、後で始めた走り幅跳びで結果が出るにつれ、軸足を移していった。

 4年の冬に、数々の選手を育てた太成学院高・坂井裕司監督に出会ったことも、幅跳びの飛躍を後押しした。「中学生レベルと言われました。その時点でインカレに優勝していたんですけど。踏み切りを合わせようとして、無意識にちょこちょこ走って、持っているスピードを発揮できていなかった」。フォーム改造で歩幅を大きくし、助走の速さを追求。本腰を入れて1年目の昨年、日本選手権で初優勝した。

 現在の世界ランキングは日本人最上位とはいえ49位。東京五輪の出場枠は32人で、ランキングでの出場は遠い。現状で6メートル82の参加標準記録は、自己記録の6メートル45と開きがある。それでも「不可能ではない」と力強い。幅跳びに本気になってまだ2年だからこそ、五輪の1年延長は追い風となる。今は兵庫県西宮市内の自宅でオンラインのピラティスのレッスンを受けるなど、感覚の鈍りを最小限に食い止める毎日。モデルジャンパーの伸びしろは十分だ。

 《JOC就職支援でシバタ工業に入社》秦はJOCの就職支援制度「アスナビ」を利用し、兵庫県明石市にあるシバタ工業に昨春、入社した。産業用ゴム製品のメーカーの同社は「関西出身者を支援したかった。応援をすることで社員の気持ちが前向きになれる」と初めて制度に応募し、秦を採用。秦は「自社の長靴は一つ一つ手作り。いろんな人がいろんな形でかかわって会社が成り立っている」と競技に専念できることに感謝の思いを抱いているという。

 ◆秦 澄美鈴(はた・すみれ)1996年(平8)5月4日生まれ、大阪府八尾市出身の24歳。北山本小1年から6年まで水泳、桂中ではバスケットボール部に所属。山本高で陸上を始め、3年の全国高校総体の走り高跳びで9位。武庫川女大へ進み、日本学生対校選手権(インカレ)で2年時に走り高跳び2位、4年時に走り幅跳びで優勝した。家族は両親と妹。得意料理は豆腐ハンバーグ。1メートル69、51キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年5月15日のニュース