白鵬 笑顔なきV44 史上初無観客場所「喜びと言うより、無事に終わったというのが先」

[ 2020年3月23日 05:30 ]

大相撲春場所 千秋楽 ( 2020年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )

内閣総理大臣杯を手にする白鵬(撮影・長嶋 久樹)
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 13年九州場所以来、7年ぶりとなった横綱相星決戦で白鵬が鶴竜を寄り切り、13勝2敗で史上最多を更新する2場所ぶり44度目の優勝を果たした。場所中に誕生日を迎えた白鵬の35歳0カ月での優勝は、年6場所制となった1958年以降、3番目の年長記録。新型コロナウイルスの影響で史上初の無観客となった場所で横綱の威厳を示した。

史上初の無観客場所を制した白鵬は、土俵下に幕内力士が勢ぞろいする中で賜杯、優勝旗、総理大臣杯を受け取った。その表情は最後まで険しかった。表彰式後のミックスゾーンでのインタビューでも笑顔はなかった。

 「喜びというより、無事に終わったというのが先」。開催すら危ぶまれた場所で千秋楽まで取り切れたことに安どした。

 史上最多優勝を誇る大横綱でも、無観客の中、平常心を保つのが難しかった。ファンの声援がない中、初日には「ちょっと不思議な感覚があった」という。取組では目の前の相手に全てをぶつけようとしたが「気持ちの持ち方が厳しいものがあった。浮き沈みが激しかった」というように阿武咲、正代に破れた相撲は珍しくバタバタした。それでも「テレビで何千万の人が見ていると思いながらやってこられた」と自らを鼓舞。鶴竜との相星決戦は巻き替えの応酬から寄り切って貫禄を示した。

 4日目の11日に35歳となった。35歳以上の優勝は、横綱では千代の富士に続く2人目。千代の富士の相撲は前みつの取り方などをビデオで研究したこともあり「憧れの大横綱」という存在だ。白鵬は新たに未知の領域に足を踏み入れた。

 年齢を重ねるごとに「体を維持しないとやっていけない」と食べたいものも我慢するなど自らを律してきた。そしてつかんだ44回目の優勝。「大きな財産、経験になっていく。この場所を経験したということを、これからも生かしていきたい」と今後の糧にしていく。 維持しないとやっていけない」と食べたいものも我慢するなど、自らを律してきた。そしてつかんだ44回目の優勝。「大きな財産、経験になっていく。この場所を経験したということを、これからも生かしていきたい」と今後の糧にしていく。

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