【玉ノ井親方 視点】勝負急がなかった鶴竜 白鵬との相星決戦、見応えある一番期待

[ 2020年3月21日 20:05 ]

大相撲春場所14日目 ( 2020年3月20日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所14日目>土俵際で投げの打ち合いになり、朝乃山(手前)に軍配が上がるも、物言いの末に差し違えで鶴竜の勝ちとなる(撮影・北條 貴史)
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 鶴竜は朝乃山の右差しからの攻めを読んで相撲を取った。右四つに組んだものの、自分の右肘を張って上手を許さなかった。土俵際で回り込みながら下手で相手を振り、左を巻き替えもろ差しになった。最後は朝乃山に強引に投げを打たれ、もつれながら土俵に落ちたが、先に朝乃山の肘がついて勝利をものにした。

 前回対戦した昨年の九州場所は、右下手からの投げにこだわり、朝乃山の出足に圧力負けした。その一番が頭をあったのだろう。この日は右下手からの投げにこだわらず、もろ差しになるまで勝負を急がなかった。

 一方の朝乃山は素早く右を差して四つに組んだ。あの展開になったら、投げを打って勝負に出るのは仕方がない。敗因は左で上手を取れなかったこと。内容的には悪くなかった。あす千秋楽は貴景勝戦。大関昇進には内容も重視される。最後まで自分の相撲を取り切る姿を見せてほしい。

 2敗を守った鶴竜は白鵬との相星決戦。現状では白鵬が若干有利に見えるが、一番相撲は取ってみないと分からない。番付通りの、横綱同士の対決にふさわしい、見応えのある勝負を期待している。(元大関・栃東)

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2020年3月21日のニュース