空手五輪代表内定の植草歩 涙こらえ先輩ライバルに感謝

[ 2020年3月3日 15:58 ]

帰国し、記者の質問に笑顔で答える女子61キロ超級で東京五輪を決めた植草歩(撮影・木村 揚輔)
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 空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表に内定した植草歩(27=JAL)が3日、プレミアリーグ(PL)ザルツブルク大会(オーストリア)から帰国。「ほっとした。優勝して内定を決めたかったが、負けているのに(4回戦敗退)“おめでとう”の報道が流れたのは、何とも言えない気持ちだった」と苦笑いも、内定の喜びをかみ締めた。

 組手は通常5階級だが、東京五輪では3階級で実施される。植草の68キロ超級は一つ下の68キロ級と統合され、61キロ超級となる。代表選考レースは直接対決のない下の階級の選手と五輪ランキングポイントを争っていたが、今大会を終えて1000ポイント以上の差が付き、全日本空手道連盟の規定で植草の代表が決まった。

 その唯一の代表枠を争ったのが、帝京大で1学年上だった68キロ級の染谷香予(テアトルアカデミー)。今大会では染谷が3回戦負けし、すでにポイントで大きくリードしていた植草の内定が決まった。一方で「(染谷)先輩はずっと憧れで、帝京大に入ってからもお世話になった。先輩のおかげで強くなれたと思う」と感謝。お互いの試合後には話す機会があったといい、「先輩が負けて自分に内定が出たのに、笑顔で“頑張って”と言われた。そういう部分も素晴らしい選手だなと思った」と話し、目からこぼれ落ちそうになった涙をこらえた。

 開幕まで5カ月を切った本番で目指すのは、もちろん金メダル。同じ階級で五輪代表を争った後輩たちの名前も挙げ、「彼女たちの分まで自分が五輪で優勝することが恩返し。植草が出て良かったと思われるように、また強くなりたい」と気持ちを新たにした。

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2020年3月3日のニュース