阿部一は優勝がノルマ 柔道井上監督が示す 東京五輪代表選考

[ 2020年2月18日 12:14 ]

勝負カラーの赤ネクタイでドイツへ出発した阿部一二三
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 柔道の男子日本代表の井上康生監督(41)が18日、東京五輪代表選考会の一つ、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(21~23日、ドイツ)への出発前に成田空港で取材に応じ、66キロ級の阿部一二三(日体大)に優勝のノルマを課すことを示唆した。

 同級は代表を激しく争う丸山城志郎(ミキハウス)が左膝のケガで欠場。近年の実績などから一番手候補の丸山が欠場したことで、二番手の阿部一にとっては差を詰めるチャンスとなる。昨年11月のGS大阪大会では丸山との直接対決を制して優勝した阿部一について「(最近は)自信を取り戻した表情だった。コンスタントに稽古を詰めている精神的な部分と、技術的、肉体的な部分の安定を感じる」と評価。その上で「彼自身、自分の置かれた立場を理解して戦うと思う。そういうふうに(負けられない)とらえられてもいいかなと思う」と話した。

 全日本柔道連盟は大会終了後の今月27日に、東京都内で強化委員会を開催。これまでの大会成績などを基に、出席者の3分の2が一番手とそれ以下の選手との差が歴然と判断した階級は、五輪代表が決まる。井上監督は強化委員会に審議対象階級を答申する立場でもあるが、阿部一が優勝以外の結果に終わった場合、丸山の選考投票を答申する可能性を示唆した形だ。

 今大会をケガで欠場する100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)、100キロ超級の原沢久喜(百五銀行)についても、「細かいところは言いづらい部分はあるが、総合的に誰が五輪に出て勝てるかを考え、選考するしかない」とし、審議対象になる可能性を含ませた。

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2020年2月18日のニュース