東京五輪&パラ、ロシア除外…ドーピング不正でWADA全会一致厳罰処分

[ 2019年12月10日 05:30 ]

18年2月、平昌冬季五輪開会式で五輪旗を先頭に行進するOAR(ロシアからの五輪選手)の選手団
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 世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアのドーピング不正に絡むデータ改ざん問題を巡ってスイスのローザンヌで臨時常任理事会を開き、ロシア選手団を東京五輪・パラリンピックやサッカーの22年W杯カタール大会、各競技の世界選手権など主要大会から4年間除外する厳罰処分を全会一致で決めた。潔白を証明した選手のみ個人資格での出場を認める。

 連帯責任の全面的な除外は見送る一方、18年平昌冬季大会と同様に国としての参加や国旗の使用は認めない。国際オリンピック委員会(IOC)は「決定を支持する」との声明を出した。

 処分は過去最大級に重く、主要国際大会の開催や招致、ロシアの政府関係者や五輪・パラ統括団体幹部の主要大会参加も4年間禁じる厳しい内容となった。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が異議を申し立てれば、判断はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に委ねられる。ロシアのメドベージェフ首相は提訴すべきだとの考えを示した。WADAは来年3月か4月の決着に期待を示した上で、最悪の場合は東京大会に間に合わない可能性も示唆した。

 WADAのリーディー委員長は「常任理事会の強力な決定は、ロシア問題に断固とした態度で対処する決意の表れだ。ロシアはスポーツの清廉さを汚した」と述べた。RUSADAの改革状況を検証するコンプライアンス(法令順守)審査委員会は調査で認定した隠蔽(いんぺい)工作を「極めて深刻」と断じ、RUSADAを再び資格停止とする処分も決定。長引く混乱が日本開催の祭典にも暗い影を落としそうだ。

 ≪“個人資格OK”米国機関は批判≫米国反ドーピング機関(USADA)のトラビス・タイガート委員長は9日、WADAの処分について「ロシアが全面的な排除を免れたことは、クリーンな選手、スポーツの品位、法の順守にとって計り知れない打撃」と批判する声明を発表した。USADAはロシアへの処分案が公表された段階から個人資格で出場の可能性を残すことに反対を表明していた。

 【WADAが4年間適用する処分】
・ロシアの選手や支援要員は不正に関与していないと証明できた場合のみ主要大会に参加できる。その場合も国を代表することはできない
・主要大会でのロシア国旗の使用を禁じる ・いかなる主要大会も開催と招致を禁じる ・既に招致した主要大会の開催を禁じ、代替開催国に移す。2032年夏季五輪・パラリンピックの招致を禁じる ・ロシア政府関係者、代表者の夏冬の五輪・パラリンピックやユース五輪、世界選手権など主要大会参加を禁じる ・ロシア反ドーピング機関はこの問題でWADAが要した経費と罰金を支払う

 ▽ロシアのドーピング問題 14年に陸上界の組織的ドーピング疑惑が報道され、15年11月にWADAがRUSADAを資格停止処分にした。16年リオデジャネイロ大会ではIOCが全面締め出しを見送る一方、国際パラリンピック委員会(IPC)は選手団除外に踏み切った。18年平昌冬季大会は五輪、パラともに個人資格での参加に限定。WADAは昨年9月にロシア側から過去の検査データ提供を受ける条件付きでRUSADAの処分を解除したが、ロシアは期限を守らず、その後にデータ改ざんが判明した。少なくとも145選手に改ざんが認められ、約3分の1は現役だという。

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