紀平2位、連覇逃すも「確実にファイナル進出」に照準 4回転は土壇場で回避

[ 2019年11月24日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯最終日 ( 2019年11月23日    札幌市・真駒内セキスイハイムアリーナ )

女子フリーで演技をする紀平(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーで、紀平梨花(17=関大KFSC)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本成功させたものの、敗れた。日本のシニア女子初となる4回転ジャンプ、サルコーを回避し、合計231・84点で2位だった。ショートプログラム(SP)首位のアリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)が合計240・00点でGPシリーズ連勝をした。GPファイナル出場者が確定し、昨季Vの紀平が日本女子で唯一、権利をつかんだ。

 大技は次回にお預けだ。紀平は4回転サルコーを回避した。決断したのは、出番の約30分前。6分間練習のリンクに向かおうとスケート靴を履いた後に、わずかに残っていた挑戦の可能性を断ち切った。

 「気持ちはトリプル(3回転)が80%ぐらいで迷いがあったけど、確実にGPファイナルを狙おうと思った」

 表彰台なら昨季Vの舞台に上がれる。浜田美栄コーチ(60)から「まず、確実にファイナルに行こう」と最後の一押しを受けたこともあって、冒険をやめた。午前の練習で4本全て失敗したことも、ブレーキを踏む要因になった。

 演技は濃い内容だった。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本鮮やかに決めた。「両方いいものが跳べてうれしかった」。演技後は右手を大きく振り上げて喜んだ。

 フリーの自己ベストに2・77点に迫る151・95点を出した。それでも、大会連覇を逃した。注目されたコストルナヤとの「トリプルアクセル対決」。相手が1本ミスをしながら、他のジャンプの完成度の差で敗れた。

 2戦連続2位で決めたGPファイナルには、今大会Vのコストルナヤに加え、4回転を跳ぶトルソワ、シェルバコワも待ち受ける。GPシリーズ6戦を、今季シニア転向のロシアの新星3人が2勝ずつ分け合った。「これよりもっと厳しい戦いになる」。新たな武器が必要なのは明白だ。

 大会前、北海道は寒波に襲われた。春まで積もった状態になることを「根雪」と呼ぶ。4回転サルコーが「根雪」となるように体に覚え込ませ、ロシアの新黄金時代到来に待ったをかける。

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