荒磯親方が「稀勢の里杯」創設 「高校生を国技館の本土俵に」12・23開催

[ 2019年11月7日 17:34 ]

九州場所前夜祭のトークショーに参加した荒磯親方(中央)
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 大相撲の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が高校生を対象にした相撲大会「稀勢の里ウィンターカップ」を12月23日に両国国技館で開催することになった。荒磯親方が大会会長を務める。

 大会の主旨は「高校相撲の健全な育成強化と親善交流を図る」「相撲競技に取り組む学生の中で唯一、高校生のみが国技館開催の試合がないことを踏まえ、全国の高校生に1人でも多くの選手が国技館の土俵で相撲を取れる機会の提供をする」「相撲において立ち合いの重要性を説き、正常化を図る」「全国の青少年による相撲競技普及を目指す」というもので、荒磯親方の意思に基づいて実施される。

 今年1月の初場所で現役を引退した荒磯親方が今大会の開催を計画したのは夏ごろだった。高校生が国技館の本土俵で相撲を取れるのは、全日本選手権の出場権を得られる全国高校総体や国体の覇者だけで、それを知ったのが引退してからだった。「それならやろう」と動きだし、親方の仕事の合間を縫って日本相撲協会や関係各所と調整を勧めて実現にこぎ着けた。

 出場資格は高校2年生までで、全国から50チーム、250人の参加を予定している。団体戦、個人戦を実施し、外国人留学生は1チーム1人までとしている。他のアマチュアの大会とは違い、今大会では「待った」を1回挟んでから立ち合いに入るという、大相撲に似た方式を取り入れる。「(待ったがなく)いきなりだと立ち合いは合わない」からというのが一番の理由だが、アマチュアに見られる立ち合いの前に腕を回すなどの無駄な動きをなくすという狙いもある。

 横綱・白鵬は2010年から小中学生を対象にした少年相撲大会「白鵬杯」を開催している。年を重ねるごとに規模は拡大しており、今年2月の第9回大会は日本、モンゴルなど世界8カ国から154チーム、1194人が参加した。今年9月の秋場所で引退した元関脇・嘉風の中村親方は、出身地の大分県佐伯市や中津市で「嘉風相撲大会」を催していた。新たに国民的横綱の冠がついた相撲大会。荒磯親方は「1人でも多くの高校生を国技館の本土俵に上げたい」と抱負を語った。

 参加は無料(旅費および宿泊日は参加校の負担)で、現在、参加チームを募集している。希望者は郵送で、大会実行委員会事務局(〒174―0051、東京都板橋区小豆沢3の3の2、IMSグループ 担当・前田行き)まで。締め切りは11月15日必着。メール、ファクスでの申し込みは受け付けていない。

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2019年11月7日のニュース