ラグビーW杯史上初 12日2試合台風で中止 13日の日本戦は当日判断

[ 2019年10月11日 05:30 ]

ラグビーW杯2019

台風接近の影響で2試合の中止を発表したラグビーW杯組織委員会の記者会見
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 ラグビーW杯日本大会組織委員会と国際統括団体ワールドラグビー(WR)は10日に都内で会見を開き、大型の台風19号の接近により、12日に予定していた1次リーグB組のニュージーランド―イタリア(豊田ス)、C組のイングランド―フランス(日産ス)の2試合を中止すると発表した。87年に始まって9大会目のラグビーW杯で試合が中止されるのは初めて。A組の日本―スコットランド(同)など13日の4試合は開催の方向だが、台風の被害や交通機関への影響を考慮して試合当日朝に実施可否の結論を出すことになった。

 台風19号は12日午後に東海から関東に上陸する恐れがある。組織委とWRは観客の安全や交通機関への影響を考慮し、同日の豊田市と横浜市での試合は厳しいと判断した。WRのアラン・ギルピンW杯統括責任者は「全ての可能性を検討した上で安全を最優先した」と強調。会場変更という選択肢については「1次リーグは変更しないという規定どおり」と説明し、台風シーズンの日本での開催を「リスクは意識していたが、この時季にこのような大型台風は珍しい」と話した。

 中止の2試合は、いずれも1次リーグ最終戦。規定では中止は引き分け扱いで両チームに勝ち点2ずつが与えられる。そのため、試合を行わずに順位が決まる事態となった。C組は既に決勝トーナメント進出を決めていた2チームの直接対決が流れ、イングランドの1位とフランスの2位が決定。一方、南アフリカだけ突破を決めていたB組はニュージーランドが勝ち点2を加えて1位通過を果たし、イタリアは戦わずして敗退となる悲劇が起きた。

 11日のオーストラリア―ジョージア(エコパ)、12日のアイルランド―サモア(レベスタ)は台風の影響が少ないとして予定どおり実施。日本―スコットランドなど13日の4試合も開催の方向だが、最終結論は被害などの状況が判明する当日朝に持ち越された。中止ならキックオフ6時間前までに決まる。

 日本代表フッカー堀江は「勝ってベスト8に行くとずっと思っている」と試合に集中する構え。ロックのトンプソンは「日曜日(13日)の天気は分からないけど、僕は出たい」と意欲を示した。

 ▽日本の決勝T進出条件 決勝トーナメントには上位2チームが進出する。現在日本はA組首位の勝ち点14。アイルランドは12日のサモア戦で3トライ以下の△か●なら勝ち点が13止まり。その時点で日本の2位以内が確定するが、可能性は低い。最終戦を残してアイルランドの最大勝ち点は16、スコットランドは最大15のため、日本の1次リーグ自力突破ラインは16。16でアイルランドと並んだ場合は直接対決で勝利している日本が1位となる。

 日本は13日のスコットランド戦に○か△ならば16以上となり1位突破。●でも4トライ以上かつ7点差以内でボーナスポイント(BP)2を獲得すれば16に到達。日本が●でBP1の場合は、スコットランドを3トライ以下に抑えれば進出決定。日本が●BP1で3チームが勝ち点15で並んだ場合は、得失点差でスコットランドがアイルランドを上回れば2位突破、その逆なら敗退が決定。また日本が●BP0で3チームが勝ち点14で並んだ場合は2位突破が決まる。

 ▽勝ち点が並んだ場合の順位決定方法 (1)当該チーム同士の対戦成績(2)得失点差(3)得失トライ数差(4)総得点数(5)総トライ数(6)1~5でも決定できない場合は、10月14日時点の世界ランキングの順に上位チームを決定する。3チーム以上が同じ勝ち点で並んだ場合はまず(1)~(6)に従って最上位チームを決定。残った2チーム間で再度同じ手順に従って上位チームを決定する。

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2019年10月11日のニュース