八村がプレシーズン初戦で先発 21分で12得点 豪快なダンクと3点シュートも披露

[ 2019年10月8日 10:28 ]

プレシーズン初戦で先発したウィザーズの八村(AP)
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 NBAドラフトで全体9番目にウィザーズに指名されたゴンザガ大出身の八村塁(21)が7日に地元ワシントンDCで行われたプレシーズン・ゲームの初戦(対ニックス)に先発。21分10秒のプレータイムでフィールドゴール(FG)を7本中4本成功させ、12得点と4リバウンド、2アシストを稼いで存在感を示した。

 最初の得点は第1Qの3分27秒、昨季ペリカンズで21・4得点を稼いだジュリアス・ランドル(24)にマークされていたが、八村は正面やや左からステップバックしてのジャンプシュートを成功。このあとフリースローを4本中3本決めて、このクオーターでは出場7分28秒で5得点と2リバウンドをマークした。

 第2Qは4分56秒からコートに登場。9分52秒には左45度からこの日初めて放った3点シュートをきれいに沈め、その26秒後にはチームの主力ガードで昨季25・6得点を挙げているブラドリー・ビール(26)のアシストを受け、ゴール下でシュートを決めて前半で10得点を稼いだ。

 第3Qの開始早々にはニックスのマーカス・モリス(30)が、トラッシュトークを仕掛けていたウィザーズのジャスティン・アンダーソン(25)の頭にボールを叩きつけて「フレイグラント2(過度の反則)」をコールされて一発退場。NBAならではのワイルドなパフォーマンスを八村はコート上で目撃したが最後まで冷静さは失わなかった。

 このクオーターの1分57秒、八村は右サイドからトップに回りこんだあと、2014年のドラフト全体7番目に指名されているランドルを振り切ってインサイドに突入。左手で豪快なダンクを叩き込んで場内を沸かせ、6分38秒にベンチに退いた。

 元ウィザーズのフォワードで現在はテレビの解説者を務めているドリュー・グッデン氏(38)は八村を、元ブルズの万能フォワード、スコッティー・ピッペン氏(54)に例えてその能力を評価。マイケル・ジョーダン氏(56=現ホーネッツ・オーナー)とともにファイナル6度の制覇を達成したスーパースターの“後継者”として紹介した。

 ただしマッチアップしたランドルに序盤、ゴール下で2本のシュートを決められるなどディフェンスには課題を残した形。スイッチやカバーのタイミングが遅れたり、ずれたりする場面もあり、スコット・ブルックス監督(54)の期待に応えるにはさらなる“順応と適応”が必要と言えそうだ。

 ウィザーズは大黒柱のガード、ジョン・ウォール(29)がアキレス腱断裂で今季終盤まで出場は絶望的。その穴を埋めるために獲得したアイゼイア・トーマス(30)も利き手となる左手の親指のじん帯断裂で開幕には間に合わず、故障者が続出。プレシーズン初戦では、昨季17勝65敗でリーグ最低成績に終わったニックスに99―104(前半42―57)で敗れ、戦力面では多くの不安材料を抱えている。

 プレシーズンの初戦では、ウィザーズが通算11チーム目となる“ジャーニーマン”のイッシュ・スミス(31)が先発のポイントガードとして起用されたが21分の出場で4得点と5アシスト。この日16分で5得点の“徐行運転”に務めたシューティング・ガードのビールへの負担が増大するのは避けられず、それだけに八村の役割が重要になってきそうだ。

 なおデューク大出身でドラフト全体3番目にニックスに指名されたR・J・バレット(19)は前半でシュートの精度を欠いたが、39分出場して八村を上回る17得点。サマーリーグでは精彩を欠いていたが開幕を目前にして徐々に調子を取り戻してきた。

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