ラグビー日本代表31人 29日発表、トンプソン選出へ 4度目W杯で伝説になる!

[ 2019年8月29日 05:00 ]

網走合宿を終え、カメラに向かって手を振るトンプソン(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 ラグビーW杯の日本代表31人が29日に発表される。チームは28日、北海道網走市での強化合宿を打ち上げた。参加41人から絞り込まれ、代表66キャップのロック、鉄人トンプソン・ルーク(38=近鉄)は日本歴代最多タイとなる4度目の選出が確実。大野均が持つW杯最年長出場、代表最年長トライの塗り替えなど、記録ずくめのW杯が期待される。

 ヒゲには白いものがまじる。38歳の年齢から、近頃は「おじいちゃんだから」が口癖だ。だが、過去3大会と比べても、トンプソンの存在価値は全く変わらない。29日のW杯メンバー入りは確実な情勢。ジャパンが未踏の1次リーグ突破を目標に掲げた。

 「選ばれたら、ベスト8に入ることを一番、フォーカスしたい。いつも通りハードワークをしたい」

 合宿最終日の練習を終え、言葉に充実感があふれた。南アフリカを撃破した15年後に、代表引退を宣言。17年に一戦限定で緊急招集されても、決心は変わらなかった。転機は、今年のスーパーラグビー「サンウルブズ」参戦。8試合に出て、昨年の「代表になりたいけど、無理」という気持ちから、「自分を信じられるようになった」と、桜のジャージーへの意欲が芽生えた。7、8月のテストマッチで2試合に先発。“タックルの鬼”は健在だった。

 「スピードはダウンしたけど、強さとフィットネス(運動量)は通用した。いろいろとレベルアップした。15年よりも今、いい感じ」

 所属する近鉄はこの2年、下部リーグ。レベルが落ちる環境でも、技術と意欲を保ち続けたのは、真のプロフェッショナルだからだ。この日、スタッフにまじって道具の運搬を手伝った。愛称「トモさん」が献身的なのは、グラウンドの中だけではない。

 FB松田努、CTB元木由記雄に並ぶ日本勢最多4度目の出場となれば、大野均(東芝)が持つW杯最年長出場記録(37歳150日)を塗り替える。トライを挙げれば、大野が持つ代表最年長トライ(36歳4日)も更新する。ニュージーランド生まれで10年に日本国籍を取得した。引退後は母国で牧場経営を描くが、まだユニホームは脱げない。セットプレーでも要の1メートル96、110キロは、そのサイズ以上に必要とされている。

 ≪リーチ主将、守備力アップ自信≫フランカーのリーチ主将が守備力アップに自信を見せた。網走合宿は、個人のタックル力や、2人で当たるダブルタックルの練習に重点が置かれた。「システムが良くても、タックルが弱かったら意味がない」。29日のメンバー発表を経て、一気に本番モードに突入する。「一番小さい日本が大きな相手を倒す姿を見てほしい」と手応えを口にし、8強進出を約束した。

 ≪個人突破武器、モエアキオラ秘密兵器だ≫WTBモエアキオラが選出されれば、秘密兵器となりそうだ。東海大からスーパーラグビーの強豪チーフス(ニュージーランド)に参戦。1メートル85、114キロのバックスらしからぬ体格を持ち、パワーあふれるランが魅力。合宿終盤は個人技の突破が目立った。「今までで一番のきつい練習を乗り越えられてうれしかった。この合宿でアピールして出し切った」と達成感を口にした。

 ≪山本が作詞担当、替え歌で締めた≫「カントリーロード」の替え歌「ビクトリーロード」をトレーニングルーム内で全員で合唱し、合宿を締めくくった。プロップ山本が作詞を担当したチームソング。この日も音頭を取ったムードメーカーは「合宿のいい締めくくりになりました」と語った。プロップの代表争いは激しく、名前が残るか微妙な情勢。「このチームはワンチームというスローガンのように、本当に家族。いい関係」と、らしいコメントで締めくくった。

続きを表示

2019年8月29日のニュース