FB山中の逆襲!W杯代表切符“ラストチャンス”絶対つかむ

[ 2019年8月10日 05:30 ]

ラグビー・パシフィックネーションズカップ2019   日本―米国 ( 2019年8月10日    フィジー・スパ )

<日本代表練習>アメリカ戦に意欲を見せる山中(撮影・吉田 剛)
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 ラグビー日本代表は10日、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)最終戦の米国戦に臨む。9日にスバで前日練習を行った。今大会初出場初先発となるFB山中亮平(31=神戸製鋼)は、9月2日のW杯メンバー31人の登録期限前では最後のテストマッチで生き残りを懸けた戦いに臨む。母死去のためニュージーランドに一時帰国中だったジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)も同日午後に再合流。「ONE TEAM」となり、3連勝で優勝を目指す。

 体中のさびを落とすように、山中が一つ一つの動きに気持ちを込めた。個人練習を含めても1時間弱と短時間だった前日練習だが、大会最終戦でようやく先発機会が回ってきた男は気迫をみなぎらせ、準備を完了した。

 「試合には出たかったが、チャンスが来なかったので、準備だけはしっかりやっておこうと。今回は準備してきたことを出したい」

 ここ2試合はCTBから転向したトゥポウが15番で先発。WTB松島も本来のポジション復帰を狙っており、今季のサンウルブズで活躍が認められた山中も、決してW杯が約束されてはいない。実戦は5月12日のサンウルブズ―ブランビーズ戦以来約3カ月ぶり。試合勘や連係面が心配されるが「宮崎合宿も試合みたいなもの(強度)だったし、そこまで不安はない」と一蹴してみせた。

 対戦相手の米国に、14年に神戸製鋼の指揮を執ったギャリー・ゴールドHC、同僚だった元CTBジャック・フーリー・ディフェンスコーチがいるのは何かの運命か。当時は主に12番でフーリーとはコンビを組んだ仲。15年W杯を目指す過程にあったが、厳しい競争に打ち勝つだけの力は備わっていなかった。今はFBとして、自信に満ちあふれている。「あの頃と比べると成長できていると思う」と、元恩師らの予想の上を行くプレーを見せる準備は整っている。

 チームは3日前、母マウデさんの葬儀だったジョセフHCに、リーチ主将の哀悼のメッセージと、全員で「ONE TEAM」と掛け声する動画を送った。選手それぞれの命運を懸けた試合でも、チームが一つになれるのが今の日本代表の強さ。W杯前の集大成を見せる時がやってきた。

 ◆山中 亮平(やまなか・りょうへい)1988年(昭63)6月22日生まれ、大阪市出身の31歳。東海大仰星―早大―神戸製鋼。高校、大学時代にはそれぞれ日本一を経験し、早大4年だった10年5月のアラビアンガルフ戦で日本代表初キャップ。11年、15年W杯は代表候補になるも落選。16年からはサンウルブズでもプレー。1メートル88、95キロ。現在は主にFBだが、スクラムハーフ以外のバックス全ポジションの経験あり。

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