渋野スマイルフィーバー!ちょっとお疲れでも健在“シンデレラチャージ”

[ 2019年8月10日 05:30 ]

女子ゴルフツアー・北海道meijiカップ ( 2019年8月9日    北海道 札幌国際CC島松C )

<北海道meijiカップ・初日>2番、渋野日向子はギャラリーを引き連れ小祝さくららと笑顔を見せる(撮影・西尾 大助)
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 前週のA1G全英女子オープンで日本人選手として42年ぶりの海外メジャー制覇を成し遂げた渋野日向子(20=RSK山陽放送)は4バーディー、2ボギーの70で回り首位に3打差の11位につけた。連日のフィーバーに疲労は極限に達し、体調不良を訴えながらも笑顔でプレー。全英でも見せた後半のチャージで巻き返し、第2ラウンド以降へ期待を持たせた。

 もう疲労は限界に達していた。18番パー5。ピンまで72ヤードの地点で第3打を待っていた渋野が中腰になった。「もう無理…」。それでも56度のウエッジを手に最後の力を振り絞ると、ピン奥からバックスピンでカップまで2メートルに寄せた。門田実キャディーが「56度なら80ヤード出る距離なので、(ピンの)後ろから戻そうと話した。今日一番のショット」と絶賛するアプローチ。バーディー締めの渋野は「最後はイメージ通り。体調は本当に良くない中で、アンダーで回れて良かった。後半はボギーなしのラウンドで何とかなった」と振り返った。

 1番でアプローチが寄らずボギー発進。風の影響を受けた前半はアプローチ、パットともに不振で、門田キャディーも「ナーバスになっていた」と明かす。だが、後半に入ると芝のスピードや距離感などを修正。12番パー5では第3打が直接カップインしかけるショットでバーディーを奪い、16番でも3メートルを沈めるなど後半はボギーなしの3バーディー。全英をほうふつさせる巻き返しを見せた。6月のニチレイ・レディース第1ラウンドから続く国内ツアーの連続イーブン以下のラウンド数は19、全英も含めると23。「スコアを見る限り、プレッシャーにはなっていないと思う」と胸を張った。

 連日の過密スケジュールによる睡眠不足などで疲労が蓄積。「朝から頭が痛くて喉も痛く、声を出すのもしんどい。微熱もあるかも」と漏らした。ハーフ後のインターバルでは、30分間睡眠し、静養に充てた。ホールアウト後の練習もキャンセルする最悪のコンディションの中で支えになったのはファンからの後押しだった。「全英のときもそうだったけど、ギャラリーは一緒に喜んでくれた。たくさんの人に祝福されてうれしかった」。子供たちからの「頑張って」「好きです」の声を励みに18ホールを乗り切った。

 首位とは3打差。この日は笑顔もパフォーマンスも控えめだったが、メジャー覇者の責任感も芽生えている。「欲張らず、その中でもアンダーパーを出していきたい」と凱旋Vを見据えた。

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