逸ノ城、成長6連勝 新入幕以来快進撃も今は「まだちょっと」

[ 2019年3月16日 05:30 ]

大相撲春場所 6日目   〇逸ノ城―遠藤● ( 2019年3月15日    エディオンアリーナ大阪 )

逸ノ城ははたき込みで遠藤(右)を下す(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 平幕の逸ノ城が危なげなく全勝を守った。遠藤の突っ張りを受け止め、頭が下がったところではたき込みを決めた。初日からの6連勝は、新入幕で13勝を挙げた14年秋場所以来。横綱・白鵬は錦木の小手投げを残して寄り切り。平幕の琴奨菊、大関・豪栄道が敗れたため、勝ちっ放しは白鵬と逸ノ城の2人だけとなった。

 無傷の6連勝にも逸ノ城は納得がいかないようだった。「(遠藤の)頭が低かったんで、こういう流れになっちゃった。当たって前に持っていこうと思っていたけど」。6日間、思い描いた相撲はほとんど取れていない。「まだちょっと」と物足りなさも口にした。

 満足できなくても負けないのは「体が動いている」からだ。遠藤戦もつかまえられないとみるや無理には突っ込まず、226キロの体重で受け止めてから、相手の動きに反応した。大阪入りしてからは2度、お好み焼きを食べに出掛けたが「ちょうどいい。動きやすい」という226キロ前後をキープしている。

 初日からの6連勝は、幕下15枚目格付け出しデビューから5場所目の新入幕で優勝に絡んだ14年秋場所以来。「あの時は何も考えていなかった。幕内で相撲が取れて、それで勝てたから楽しかった」と振り返る。「今は楽しいというのはない」というが、余計なことを考えずに集中できているのがプラスに働いている。
 母校の鳥取城北高相撲部は「うそのない稽古」がモットー。2月に鳥取で行われた母校の祝勝会に参加した際には、モットーが記された巾着袋をもらい、今場所は朝稽古で使っている。この日は番付に載っている部屋の8人の力士が全て取組があったため朝稽古は途中から新弟子と2人きりになったが、入念にすり足を行うなどできる限り汗を流した。結果、稽古はうそをつかなかった。

 昨年から栃ノ心、御嶽海、貴景勝、玉鷲が相次いで初優勝を飾っているように、誰が優勝してもおかしくない場所が続いている。怪物と呼ばれた男にもチャンスが巡ってきた。

続きを表示

2019年3月16日のニュース