大城さつき 首位に並ぶ「ショットに関してはほぼ100点」

[ 2019年3月16日 23:19 ]

女子ゴルフ ヨコハマタイヤPRGRレディース杯第2日 ( 2019年3月16日    高知県香南市・土佐カントリークラブ 6228ヤード、パー72 )

2日目、7アンダーで首位タイの大城さつき(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に1打差の2位からスタートした大城さつき(29=フリー)が強風の中、69の好スコアをマークし、通算7アンダーで韓国の新人ペ・ソンウ(25)と並ぶ首位に浮上した。今年プロ11年目。悲願のツアー初優勝へ絶好のチャンスを迎えた。2017年の賞金女王・鈴木愛(25=セールスフォース)、日本ツアー通算3勝のイ・ミニョン(27=韓国)の2人が首位に2打差の通算5アンダー、3位。日本ツアー通算18勝のベテラン・大山志保(41=大和ハウス工業)、“黄金世代”渋野日向子(20=RSK山陽放送)ら4人が首位に3打差の通算4アンダー、5位につけている。

 
 眼下に広がる大平洋には白波が立っている。土佐CC名物の強風が上空を舞う中、68、69と2日連続で60台をたたき出したのは日本ツアー本格参戦1年目ながら世界ランク38位と既に世界を舞台に活躍している韓国のペ・ソンウと大城さつきの2人だけだった。

 その大城は難条件を考慮してティーマークを50ヤード近く前に出した2番パー3で107ヤードのティーショットをロフト47度のウェッジでピン1メートルにつけてバーディーを奪うなど「ショットに関してはほぼ100点」と自画自賛する快調なゴルフを続けている。

 しかし、その表情は今ひとつさえない。優勝の二文字を思い浮かべる度に苦い記憶がよみがえるからだ。

 2011年6月のリゾートトラスト・レディースでは首位で迎えた最終18番のダブルボギーで横峯さくらに逆転を許した。2014年11月の伊藤園レディースではプレーオフに残りながら2ホール目のボギーで当時ツアー未勝利だった前田陽子に待望の初優勝を献上した。地元沖縄で最終日最終組を回った2017年3月のダイキン・オーキッド・レディースでは75と崩れて3位に終わった。

 どうすれば、悲願の初優勝を手にできるのだろうか。2007年の日本女子プロ選手権など日本ツアー通算7勝の先輩、飯島茜にはスイング動画などを送って技術指導を仰ぎ、日本ツアー6勝の大先輩、小田美岐からは「1打1打を丁寧に。周りを気にするのはもっと強くなってからでいい」と精神面でのアドバイスをもらった。そして、大城本人が導き出した答えは「練習しかない」というシンプルなものだった。あまり好きではなかった筋力トレーニングで体幹などを鍛え、現在の体重はプロ入り当初から7キロ増えた。その結果、ショットに安定感が増し、2017年には賞金ランク44位で初の賞金シードを獲得。一歩ずつではあるが、前進を続けてきた。

 大会初日の15日に79歳の誕生日を迎えた父・良雄さんは脳梗塞などを患い、現在、地元沖縄で闘病生活を送っている。その沖縄で開催された前週の開幕戦、ダイキン・オーキッド・レディース。47位で4日間を戦い終えた大城はその足で良雄さんを見舞った。神奈川を拠点にツアー活動を続ける大城にとっては貴重な父娘のひととき。今季の飛躍を胸に秘めた大城の問い掛けに良雄さんは無言で肯いたという。

 2009年のプロテストに2度目の挑戦で合格した。プロとなって丸10年、9月には30歳というもう一つの節目も迎える。周囲からはより頻繁に「もうそろそろ」という声を聞くようにもなった。「今までで一番、勝ちたいという気持ちは強いです」さまざまな思いを胸に大城が再び悲願のツアー初優勝に挑む。
 

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