レスリングの阪部創 ドーピング処分取り消し 医師から処方された胃腸薬に混入か

[ 2019年3月4日 21:35 ]

 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は4日、昨年6月に行われたレスリングの全日本選抜選手権でのドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示し、同8月から暫定資格停止処分となっていた阪部創選手(25=自衛隊)について、医師から処方された胃腸薬が原因で、意図的に摂取したものではないとして、処分を取り消すと発表した。同選手権2位などの成績は失効となる。決定は2月22日付。

 検出されたのは「アセタゾラミド」。緑内障などの治療に用いられる一方で、利尿作用があって筋肉増強剤の使用を隠す場合にも使われることから、禁止物質に指定されている。規律パネルの決定によると、阪部選手は減量後の食事で胃腸に負担がかからないよう試合当日に胃腸薬を服用。処方された残りの薬を検査したところ、同じ成分が検出されたため「過誤も過失もないものと認められる」と判断した。

 阪部選手は代理人弁護士を通じ「改めてサプリメントや医薬品の摂取には細心の注意をしなければならないと自覚した。安全であるべき医療用医薬品から禁止物質が検出されたことは驚きを隠せない。二度と私と同じ経験をする選手が出ないことを願います」とのコメントを発表した。

 沢井製薬は4日、薬の使用中止を呼び掛けるとともに、販売先の医療機関などから自主回収することを決定。謝罪のコメントを出した。薬の有効成分を調達している取引先メーカーの製造段階で、アセタゾラミドが混入した可能性があるとみて原因を調べている。

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2019年3月4日のニュース