72歳ジャンボ尾崎 50年目のシーズンへ胸に秘める不退転の覚悟

[ 2019年2月28日 11:00 ]

ジュニアレッスン会で、熱心にスイングの指導を行う尾崎将司
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 ジュニアゴルファーから元気をもらったかのように、72歳の意気込みにも勢いがあった。「今季はラストイヤーの覚悟でやる。20年五輪までは頭に入っているが、ある程度の結果は出ないといけないから」。尾崎将司は17日、千葉県で行われた「ジュニアレッスン会」に姿を見せ、50年目のシーズンに不退転で臨む覚悟を示した。

 レッスン会では、参加した23人のジュニア全員を精力的にチェック。「大事なのは基本。基本の反復を一生懸命やりなさい」を強調し、時折辛口のアドバイスを盛り込みながらも懇切丁寧に指導した。「若いのはいいね。ジュニアは可能性を秘めている。教えるのはあまり好きじゃない。頑張っている姿を見るのが好きなんだ」

 ツアー94勝のレジェンドも年々成績は下降。昨季はツアー7試合に出場したが、棄権は4度もあった。「正直、(気持ちが)かく〜〜んときた」と危機感を抱き、11月中旬から徹底的に体をいじめ抜いた。「今までにない素振りをしている。こんなにやったのは人生で初めてじゃないか。振る筋力をつけないといけないことを去年思い知らされたから」。午前6時から自前で製作した約20種類の練習器具を手に、素振りは1日200回以上をこなす。ヘッドスピードを最低でも3上げることをテーマに掲げ、「3上がれば20ヤードは前にいく。飛ばなければ面白くないよゴルフは。(トレーニングの)成果が出ているし、ヘッドスピードが上がっている手応えはある」と前向きに話す。

 東京五輪が行われる2020年までの現役続行を、当面の目標にしている。昨秋には「オレの人生は東京五輪(64年)に始まって東京五輪(20年)で終わりじゃないかな」と発言。その一方で、納得がいかないと悟れば、現役生活にあっさりとピリオドを打つ可能性にも含みを持たせた。

 昨年は背中を痛め、不安な状態でシーズンを迎えたが、今年は万全な状態でスタンバイ。国内開幕戦となる東建ホームメイト・カップ(4月18日開幕)から出場を予定している。「腰の具合はまあまあいいね。最後だから自分の体にムチ打っていい稽古しているから、もしかしたら、いい結果を提供できるかもしれないよ」。最後まで柔和だった表情が、いつになく充実したオフを物語っていた。(黒田 健司郎)

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2019年2月28日のニュース