紀平 特注装具で左手薬指完璧ガード「こけても大丈夫」

[ 2019年2月16日 05:30 ]

左手の「リング」を披露する紀平(撮影・井垣 忠夫)
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 フィギュアスケートの世界選手権(3月20〜24日、さいたまスーパーアリーナ)に出場する紀平梨花(16=関大KFSC)と宮原知子(20=関大)が15日、大阪府高槻市内のリンクで練習を公開した。前週の四大陸選手権の公式練習で左手薬指を負傷した紀平は、患部を守る特注の装具を着けて滑った。転倒の恐怖を軽減し、世界女王へ向けて代名詞のトリプルアクセル(3回転半)ジャンプを磨く。

 シンデレラガールの紀平に頼もしい“ボディーガード”ができた。練習後、左手薬指にはめた透明の装具を、報道陣に見せた。大量のフラッシュ。結婚指輪以外で、薬指にこれほどの注目が集まるのは、時の人ならではだろう。競技への効果も大きいようだ。

 「ジャンプもスピンも全然違います。こけても大丈夫という安心感があります。テーピングだと、こけてまた穴にはまって(手の甲側に)クイッていく不安があるけど、これだと絶対に反らない」

 プラスチック製と見られるが、「硬いけど、ちょっとゴムっぽい」と若干の柔軟性はある。型取りをして作製。今季のGPファイナル女王の指に合う「凄くフィットしてやりやすい」という特注品だ。この日の公開練習では終盤にトリプルアクセルを試み5回成功させた。

 10日まで米国カリフォルニア州で行われた四大陸選手権の開幕前にジャンプで転倒して負傷。現地で「左手薬指第2関節の亜脱臼」と診断された。12日に帰国した後は、優勝の気分に浸る間もなく病院へ。精密検査の結果、練習の継続と21日開幕のチャレンジカップ(オランダ)の出場にゴーサインが出た。

 ただし、左手薬指は昨年も骨折した箇所だけに、新たな装具を着けることにした。

 今季の国際大会は5戦5勝ながら、「今まで優勝したけど、重要なのは世界選手権なので、そこで勝たないと」と気を引き締める。指の“ボディーガード”のおかげで、思い切ってジャンプの練習を積めるのは、明るい材料。ハッピーエンドへまっしぐらだ。

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