稀勢連敗…V宣言一転、休場ピンチ 勝負の3日目へ「頑張る」

[ 2018年11月13日 05:30 ]

大相撲九州場所2日目 ( 2018年11月12日    福岡国際センター )

大相撲九州場所2日目 妙義龍に寄り倒しで敗れた稀勢の里は土俵下で悔しがる(撮影・岡田 丈靖)
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 一人横綱がいきなり窮地に追い込まれた。稀勢の里は最近6連勝中だった平幕・妙義龍に左差しを封じられ、もろ差しを許して寄り倒された。初日から2連敗は大関時代の15年春場所以来で、横綱昇進後は初めて。金星配給は出場7場所目で14個目となった。連敗発進した力士は過去に優勝がないだけでなく、場所前の順調な調整から一転、休場危機を迎えた。

 横綱らしからぬ負け方だった。妙義龍に体を密着された稀勢の里は、強引な左小手投げも及ばず、左膝から崩れながら土俵下に横転した。横綱昇進後、全休した場所以外で2日目は全て勝っていたが、不敗神話は崩れた。ふがいない思いからか風呂場では叫び声を上げ、支度部屋では全ての質問に無言を貫いた。

 妙義龍とは16年秋場所以来、13場所ぶりの対戦。場所前の今月7日に行った境川部屋での出稽古では13勝2敗と圧倒し「いい稽古だった。(左の感触は)いいんじゃないか」と充実感を漂わせていた。だが、最初の一番はもろ差しから寄り切られていた。稽古場とは違う一発勝負の本場所。この日も同じような内容で敗れた。

 初日の貴景勝戦と同様に腰高が目立った。八角理事長(元横綱・北勝海)は「グッと腰を下ろして辛抱すればよかった。投げを打って自分で軽くした。辛抱負けした」と劣勢で我慢できなかったことを敗因に挙げた。

 一人横綱の連敗発進は、07年春場所の朝青龍以来、11年8カ月ぶり。朝青龍は3日目から13連勝したが、優勝決定戦で大関・白鵬に敗れた。稀勢の里は場所前、「もちろん優勝」と完全復活を目標に掲げていたが、優勝どころか最悪のスタートとなった。

 15日制となった1949年夏場所以降、横綱が初日から3連敗した例は6度あるが、4日目に出場したのは88年秋場所の大乃国しかいない。秋場所では9場所ぶりの皆勤で10勝を挙げたが、再び休場するようだと進退問題が浮上しかねない。

 午後8時30分すぎに大野城市の田子ノ浦部屋の宿舎に戻った稀勢の里は「頑張ります」と口を開き、気持ちの切り替えは済んでいる様子だった。3日目の平幕・北勝富士戦は、相撲人生に関わる大一番になる。

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